Eastman Kodakといえば、米国では一大メーカーだ。というより、日本市場以外ではカメラ業界でも高いシェアを誇る。それにもかかわらず日本では苦戦。デジカメ市場でもそれは変わらず、一度は撤退の憂き目にあった。
以前は良くも悪くもアメリカらしいデザインで、日本市場で戦うにはちょっときついかな、という印象だったが、再参入してから、最近は日本市場でも十分競争力のあるデザインのデジカメもある。デザインにうるさいニューヨーカーの間でもちょっと評判らしい。
そんなKodakだが、米国あたりで発売している全製品が日本国内でも売られているわけじゃない。マーケットの要求が違うのでそれも当たり前だが、それでもちょっともったいないな、と感じるカメラもある。
それが今回取り上げる「Kodak EasyShare-One」だ。型番なしというちょっと面白いカメラだが、こいつの魅力はカメラだけにあらず。最近米国ラスベガスで行われたInternational CES 2006でも来場者に人気を博していたのが、このカメラを中心としたトータルソリューションだ。
本題に入る前に、カメラとしての機能もチェックしてみよう。CCDは4メガピクセルで、最近のカメラとしては低画素な方。L判や2L判ぐらいの印刷であれば問題ないが、大きくプリントアウトするにはちょっと物足りない。ただ、後述するが、このカメラの目的を考えると、実はこのぐらいがちょうどいい。
レンズは一般的な光学3倍ズーム。焦点距離は35ミリ判で36〜108ミリと、このあたりも普通だ。レンズ自体はKodakではいつも使われているSchneider-Kreuznach C-Variogon。レンズの明るさはF2.8〜F4.8だ。
スペックだけみるといかにも普通のデジカメっぽいが、実はこのカメラは、見た目からして普通じゃない。正面は普通の沈胴式ズームを積んだデジカメ。背面は、一見すると液晶が見あたらない。このカメラは、背面全体がくるっと回転して、液晶をしまうことができるのだ。
似たような仕組みは、キヤノンなんかのバリアングル液晶を思い浮かべると分かりやすい。あれは単に液晶部分だけだったが、こちらは操作ボタンを含めた液晶全体がひっくり返る。実はデジカメより、2軸ヒンジの携帯電話(NTTドコモのシャープ製端末とか)が一番近い。
なんでこんな仕組みかというと、このカメラ、3.0インチという大型の液晶を搭載していて、しかもこれタッチパネルになっているため、これを保護するためにもつけられたのがこのギミックだ。
3.0インチ・タッチパネルというと、ソニーが「DSC-N1」というカメラで実現しているが、EasyShare-Oneは昨年9月発売とそれよりも採用が早い。ソニーは特に液晶保護はしていないので、こちらの方が何となく安心感もある。
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