ITmedia NEWS >

1年で150本近いタイトルを投入する――Sony Pictures次世代DVDへの挑戦(1/4 ページ)

» 2006年02月03日 22時28分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 ハリウッドに到着し、最初に向かった映画スタジオはSony Pictures Entertainment(SPE)だった。SPEはソニーのグループ企業ということもあり、次世代光ディスクにおけるビジネスにもっとも積極的であり、最初に取材の予定が決まっていたからだ。

 訪問先は、これまでも何度か話を伺ってきたドン・エクランド氏。彼はSPEでアドバンストテクノロジ担当の副社長を務めており、同時にSPE内で次世代光ディスクにおけるオーサリングやパッケージビジネスも担当している。共同でマーケティングを行っているSony Electronics副社長のビクター松田氏とともに話を伺った。

photo SPEでアドバンストテクノロジ担当の副社長を務めるドン・エクランド氏
photo Sony Electronics副社長のビクター松田氏

1年で150本近いタイトルを発売

 SPEはソニー本社の意向もあって、BDパッケージビジネスを立ち上げるため、かなり積極的なビジネス展開を行うことは十分想像できた。しかし、インタビュー直前に開催された「2006 International CES」では初期20タイトルのみの発表。やや拍子抜けの印象が強かった。

 ところが、エクランド氏はいきなり、「カタログ(既存タイトルのライブラリ)から毎月10本をコンスタントに発売していく。また毎月の新作から2本程度をBDでも発売していく」と切り出した。発売時期に関しても、ソニー製プレーヤーの発売時期にかかわらず、最初に北米でBDプレーヤーが投入される4月からビジネスを開始するという。

 この予定通りにリリースされていけば、発売開始から1年後となる来年の4月には、150本程度のタイトルが発売されることになる。

 この話を聞いたとき、“おそらく本社からの強い意向でたくさんのタイトルを無理してでも出していかなければならないのだろう”と想像したのだが、実際に周辺の取材を進めてみると、映画スタジオ自身は明言していない場合が多いものの、各社月に10本程度は最低でもBD(あるいはHD DVD)パッケージを発売していくようだ。

 その背景については別稿で述べたいが、どのスタジオも本気で次世代のパッケージビジネスを立ち上げたいと考えていることは間違いない。

音楽中心のコンテンツはリニアPCMの5.1チャンネルで収録

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.