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2003年、本国カナダでアカデミー賞外国語映画賞受賞作の「みなさん、さようなら」や「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」を押えて大ヒットを記録した、笑いと涙のハートフル・コメディ。
カナダのケベック州にあるサントマリ・ラモデルヌ島は、人口わずか125人の小さな島。のどかで、平和なスローライフ。でも、その裏には高齢化、失業という切実な問題も潜んでいた。昔は漁業で栄えていたが、今は失業保険のお世話になっている。そんなお先真っ暗な島にプラスチック工場誘致の話が舞い込んでくる。工場が誘致されれば、新たな仕事にありつけるが、それには数々の条件をクリアしなければならなかった。最大の問題は医者の存在。島には長らく医者がいなかったのだ。元町長の協力で青年医師のクリストファーが、島に1か月間だけ滞在することに。この島の素晴らしさに気づいてもらい、彼に定住を決意させるチャンス到来! 彼を逃がすまいと、島民一丸となってある策略を練るが……。
要は人を騙すバチ当たりな物語。でも、島民ぐるみでつく大嘘がとにかく面白い。例えば、魚釣りに出かけた青年医師に釣れる気配がまるっきりないと、島民が海に潜って魚(しかも冷凍)を取り付けるなど、島民にとっては涙ぐましい、見ているこちらはクスクスと笑える素朴なアイデアが憎めない。登場人物も、誰よりも島を愛する町長、サエない銀行マンなど愛すべき人々ばかりである。
仮に彼が島に定住してくれてもこのまま一生嘘をつき続けるのか、嘘をバラせばこの島はなくなってしまう。いずれにせよ、心優しき島民たちには悩ましき問題。ユーモアの中に過疎化に直面する人々の苦悩も描かれ、彼らの人情と誇りに胸が熱くなる。
監督はこれが初の長編作品となるジャン=フランソワ・プリモ。数々のCMを手掛け、カンヌ広告映画祭で受賞経験もある人物。脚本はカナダではスタンダップ・コメディアンとして圧倒的な人気を誇るケン・スコットが担当している。
最後はこの島に行って見たい、そんな思いにさせてくれる拾いモノの1本です。
関連サイト:http://www.crest-inter.co.jp/oinarukyuka/(公式サイト)
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