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クリアビッドCMOSによる高画質への新アプローチ――DVDハンディカム「DVD505」春のビデオカメラ特集(1/3 ページ)

» 2006年02月20日 14時45分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 ソニーの「ハンディカム」ラインアップは、従来から定評があった“コンパクトDVカメラ”に加え、“HDVカメラ”“DVDカメラ”と磐石の構えだったが、ここにきて“HDDカメラ”である「DCR-SR100」も新たに発表。さらに隙のない布陣となっている。もちろん、各々に異なった特徴を持たされているのだが、DVDカメラに関しては、ある意味で無難な仕上がりだった。

 しかし、3月発売の新製品「DCR-DVD505」は、かなり意欲的な製品といえる。同時発売の「DCR-DVD405」は、デザインに関しては「DCR-DVD505」と共通なものの、内容的には総画素331万の1/3型原色フィルターCCDを搭載するなど、従来の「DCR-DVD403」と同等だ。しかし、一方の「DCR-DVD505」ではイメージセンサーとして、新たに1/3型クリアビッドCMOSを採用した。

photo クリアビッドCMOSセンサー採用、ワイド3.5型クリアフォト液晶プラス搭載など、見どころが多いばかりでなく、実際にも使い勝手のいいソニーのDVDビデオカメラ「DCR-DVD505」

 このクリアビッドCMOSセンサーでは、1画素あたりの面積を広げることで高感度特性を向上させている。その分、総画素数は210万に抑えられているが、45度回転させた画素配列と最適な補間アルゴリズムの組み合わせで、400万画素での静止画撮影を実現にしたという。また、読み出し速度の高速化により、動画撮影中でも300万画素(16:9モードでは230万画素)の静止画同時記録が可能で、また、240フィールド/秒での「なめらかスロー録画」機能も搭載した。

ワイド3.5型液晶を搭載するなど、矮小化よりも実用性を重視

 本体は、右側面に8センチDVDのディスク形状をそのまま生かしたドライブ部が配されるなど、全体に凹凸を埋めずに、各パーツをダイレクトに組み合わせた印象だ。「DCR-DVD403」ではなるべく小さく見せようという意図が汲み取れたが、この「DCR-DVD505」ではそうした気負いは感じられない。

 なかでも目を引くのは左側面のモニター部で、ワイド3.5型という比較的大型な液晶画面を搭載した。単に大きいだけではなく、21.1万画素の高精細で、さらに“サイバーショット”ではおなじみのクリアフォト液晶プラスを採用しており、色再現性やコントラストが高く、明るい場面でも暗い場面でも見やすい。この液晶が象徴しているとおり、本体は決してコンパクトとはいえないサイズだが、その分、機能面での妥協や省略は少ないといえるだろう。質感も上々だ。

photo ワイド3.5型クリアフォト液晶プラスは見やすいばかりでなく、タッチ操作も比較的しやすくなる。画面の下には撮影スタート/ストップ、ズームボタンも配置
photo 液晶画面を開いた部分にはいくつかのボタンが配されているが、「見る/編集」「逆光補正」は液晶画面を閉じた状態でもアクセス可能だ。最下部の端子カバーの下には、REMOTE端子、A/V端子(付属のAV接続ケーブルはコンポジットのみで、S映像出力は別売のAV接続ケーブルが必要)、DC IN端子がある
photo DOLBY DIGITALロゴの部分はシューカバーになっており、下にはアクティブインターフェイスシューが装備されている。ソニー製品ではおなじみのナイトショット/スーパーナイトショット機能も搭載ずみ

 電源スイッチは回転式で、右へ回すと「入」、左で「切」となり、「入」側へ倒すたびに「動画」「静止画」のモードがトグルするタイプだ。モード切替時には画面上に「動画」または「静止画」のアイコンが大きく表示されるとともに、電源スイッチの下にあるインジケータでも確認できる。従来どおり、レンズカバーも内蔵式で、電源や動作モードと連動して自動的に開閉してくれる。

photo 電源スイッチは「動画」「静止画」のモード切換も兼用。すぐ下には現在のモードを示すインジケータも装備されている。フラッシュ切換が手前にあるのも使いやすい
photo 電源と連動するレンズカバーを内蔵。再生モードへ切り替えた場合も、自動的に閉じてくれる。レンズは当然、カールツァイス バリオ・ゾナーT*
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