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RDらしさを増したデジタル放送時代の“3 in 1”、東芝「RD-XV81」レビュー(1/4 ページ)

» 2006年02月21日 11時03分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 東芝が2月上旬に発売した「RD-XV81」は、HDD、DVDにくわえ、録再対応のVHSデッキも搭載したいわゆる“3 in 1”のDVDレコーダーだ。同社の「3 in 1」モデルとしては初めて地上波/BS/CSの3波対応デジタルチューナーを内蔵。さらにHDDへの「W録」、「ネット de ダビング」、スカパー!連動など、よりRDらしさが増している点にも注目したい。

 デジタル放送対応の3 in 1としては、松下電器産業の「DMR-EX200V」が一足先に登場している。ただし、EX200Vが高さ125ミリとかなり大柄なのに対し、RD-XV81は高さを99ミリにおさえ、既存の「3 in 1」DVDレコーダーとほとんど変わらない。

photo 左にVHSデッキ、右のDVDドライブを備え、極力シンプルさを狙った印象のデザイン。前面のおおよそ半分を占めるカバーパネルを半透明のアクリル製にするなど、「3 in 1」の制約の中でシンプルかつスタイリッシュにまとめた

 VHSデッキの開口部が前面で大きな面積を占めることもあって、デザインは現行のRDシリーズとは異なった印象を受ける。前面パネル部に露出するボタンは電源や動作対象とするメディア切替のみの最小構成とし、残りの録画再生操作ボタン、AV入力、DV入力などは下部のカバーパネル内に収めている。「RD-XV34/44」や「AK-V200」(カンタロウ)ともまた違ったイメージだ。

photo 前面右側には操作対象となるメディアを切り替える大型のボタン、カバーパネル内にB-CASカードスロット、AV入力、DV入力を備える。DV入力はDVカメラとの接続用で、D-VHSデッキなどとの接続はサポートしない
photo 左側のカバーパネル内にはチャンネルアップダウンと録画再生用の基本操作ボタンを備えた
photo 前面中央のディスプレイ部は、ファミリーユースも多い3 in 1らしく、日本語表記を含んだわかりやすいタイプ

 先にスペックとまとめておくと、チューナーユニットは地上波・BS・CSの3メディア対応のデジタルチューナーと地上波アナログチューナーの2つ。また、MPEGエンコーダーを1つ内蔵している。同社の従来の3 in 1製品ではHDD+VHS、DVD+VHSといった変則的な2番組同時録画が可能な製品が主流になっているが、「RD-XV81」ではHDDへデジタル放送を画質劣化なしに録画可能なTS(トランスポート・ストリーム)録画と、SD解像度でのVR録画(MPEG-2)による2番組同時録画が可能となっており、この点は「RD-XD91/71」と同等だ。トレードオフとして、VHSデッキ部は地上アナログ放送と外部入力からの手動録画にのみで予約録画に対応していないが、HDDへ2番組同時録画が可能になっているため、これがデメリットとなる人は多くないだろう。

 本製品はあくまで2番組同時録画としているが、厳密にいうとTS録画とVR録画、さらにVHS録画が同時に行える。ただし、VHSデッキ部はチューナーユニットをVR録画と共用しているため、VR録画と同じ内容しか録画できない。結局、同時に録画できるのは2番組までなのだが、使い道がないわけではないので、覚えておいても損はないだろう。

photo 実際にHDDへのTS録画とVR録画にくわえ、VHSデッキでも録画していることが、3つの赤いインジケータなどで確認できる

 HDDは250Gバイトを内蔵。地上デジタル放送のTS録画で最大約32時間、MPEG録画ならSPモードで最大約112時間の録画が可能だ。デジタル放送のTS録画をヘビーに行うには十分な容量とはいえないが、そもそも、そういったユーザー向けの製品でもないだろう。HDD内でTS録画した番組をMPEG録画に変換することもできるため(TS録画分は削除される)、とりあえずTS録画しておいて、任意の画質でよりコンパクトにHDDに保存しておける。このあたりは、HDD内ダビングが可能なRDシリーズならでは、といえそうだ。

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