至極当然のことだが、DVカメラはDVフォーマットに、DVDカメラはDVDフォーマットに縛られてしまう。もちろん、miniDVカセットに720p/1080i解像度でMPEG-2記録してしまうビデオカメラも登場ずみではあるが、その場合もどこかのメーカーが勝手にやるわけではなく、HDVという標準フォーマットを定めたうえで製品化されている。
テープやディスクに記録する場合は、ほかの機器でメディアを再生する可能性も高く、共通規格に準じるのは当然のことだ。では、最近増えつつあるHDDを採用したビデオカメラの場合はどうだろう。自己再生か、PCへの取り込みが主な用途となるので、標準的な記録方式にこだわる必要はなさそうだが(ただし、SDカードも搭載する製品の場合は、SD-VIDEO規格に準拠している)、実際のところは、いずれも記録形式はMPEG2-PS、ビットレートは最大でも9Mbps程度となっている。
このへんはほかの方式のビデオカメラとの部品共通化など、さまざまな理由があるのかもしれない。また、HDDビデオカメラで撮影しても、最終的にはDVDで保存というユーザーも多いのだろう。その場合、DVDフォーマットの範囲を超えない記録方式のほうが都合がいいには違いない。
ただ、“DVDで保存”といっても、DVD/HDDビデオレコーダーと直結できるようなHDDビデオカメラは東芝gigashotくらいで(アナログ映像による入出力は問題外として)、たいていの場合は結局、PCへファイル転送してDVDオーサリングを行わざるをえない。そうなると、結局、上記のような記録方式にとどめている利点は、再圧縮の必要がないことくらいしか見当たらない。
ビクターのHDDムービー“Everio”GZ-MGシリーズの新ラインアップでは、このあたりのジレンマを解消している。今回追加されたのは「GZ-MG77」「GZ-MG67」の2モデルで、いずれもダイレクトDVD機能を搭載した点が最大の特徴だ。本体よりも発売が若干遅れるようだが(3月中旬発売予定。本体は3月上旬)、オプションとして「専用DVDライター」が提供される。ビデオカメラ本体とDVDライターをUSB接続すれば、本体側から操作を行い、PCレスでのDVDライティングが可能となる。
そういえば以前、「GZ-MG40」のレビュー記事の末尾に、“欲を言えば、DVDレコーダーと(AV出力ではなく、USB接続で)直結して、PCレスでのDVD作成を可能にしてほしかったが、日本ビクターではすでにDVDレコーダー分野での積極的な展開を行っていないので……”と書いた。少々異なるアプローチではあるが、これが実現したことになる。
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