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ハイビジョン撮影の敷居をさらに押し下げ――ソニー「HDR-HC3」春のビデオカメラ特集(1/3 ページ)

» 2006年03月13日 10時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 昨年7月に発売されたハイビジョン・ハンディカム「HDR-HC1」は、HDV1080i対応ビデオカメラとしては大幅な小型化を実現し、多くの家庭にハイビジョン撮影の楽しみをもらたしてくれた(レビュー:前編後編を参照)。しかし、それでも、発売当初から「さらなるコンパクト化」や「HDDタイプの登場」などを待望する声も少なからずあったようだ。

 先日発売された後継機「HDR-HC3」では、その要望のうち、最も多く挙がっていた小型軽量化を果たした。デザインもかなり洗練された印象で、「HDR-HC1」は“パパがカメラバッグに入れて、三脚と一緒に持っていく”というイメージだったが、今回の製品は“ママがトートバッグにでも入れて、気軽に持ち運べる”感じである。カラーもシルバーとブラックの2色をラインアップした。

photo 本体サイズは82×78×139ミリ、質量は約500グラム(撮影時約600グラム)と、小型軽量化を果たしたソニーのHDV対応ビデオカメラ「HDR-HC3」

 気軽に持ち運べるのは、本体が小さく軽いうえに、全体に凹凸が少なく、なだらかな形状になっているからだ。しかも、同時期に発表されたほかのハンディカムと同様に、レンズカバーも内蔵している。

photo オートレンズカバーを内蔵しており、電源のオン/オフや、モード切替と連動して、自動的に開閉してくれる

 なかでも目をひくのはバッテリーだろう。ほかの多くの製品のように“装着”するのではなく、本体の内側にすっぽりと“収納”できるのだ。付属バッテリー「NP-FP60」は奥行きが33ミリほどあるが、これを収納してもまだ数ミリほど余っている。なんだか見た目も“ドッキング用のコンテナ収納部を有した輸送機”(サンダーバード2号などとはまったく違うが)のようでしゃれているが、持ち運びやバッグからの出し入れの際には、実用面でかなり貢献してくれる。

photo 奥行き33ミリの付属バッテリー「NP-FP60」は、本体内へすっぽりと収められる。撮影可能時間は液晶画面使用時(バックライトON)で約1時間半、実撮影で50分の動作が可能

 バッテリー収納部の両脇はカーブ形状で、そのままビューファインダーへとつながっていく。「HDR-HC1」とは異なり、ビューファインダーは本体に埋め込まれており、また、引き出したりもできないため、撮影時にはカメラがかなり顔に近くなり、押し付けざるを得ない感じだ。いずれにせよ、ビューファインダーは25万ピクセル(0.54型)から12.3万ピクセル(0.27型)へと大幅にスペックダウンしてしまったので、液晶モニター(21.1万ピクセル)のほうが視認しやすいのではあるが。

photo 2.7型液晶モニターは21.1万ピクセルとなり、「HDR-HC1」(12.3万ピクセル)と比較して、かなり見やすくなった。ほかのハンディカムと同様に、操作はタッチパネル方式を採用。画面の横にはズーム、スタート/ストップボタンも装備している
photo 液晶モニターを開いた部分には、USB端子とメモリースティックDuoスロットを装備。シンプルボタンを押すと、画面表示の文字などが大きくなり、メニューもたとえば撮影時なら、「録画フォーマット(HDV/DV)/操作音(入/切)/日時あわせ/表示ガイド」のみのシンプル操作モードとなる
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