昨年7月に発売されたハイビジョン・ハンディカム「HDR-HC1」は、HDV1080i対応ビデオカメラとしては大幅な小型化を実現し、多くの家庭にハイビジョン撮影の楽しみをもらたしてくれた(レビュー:前編/後編を参照)。しかし、それでも、発売当初から「さらなるコンパクト化」や「HDDタイプの登場」などを待望する声も少なからずあったようだ。
先日発売された後継機「HDR-HC3」では、その要望のうち、最も多く挙がっていた小型軽量化を果たした。デザインもかなり洗練された印象で、「HDR-HC1」は“パパがカメラバッグに入れて、三脚と一緒に持っていく”というイメージだったが、今回の製品は“ママがトートバッグにでも入れて、気軽に持ち運べる”感じである。カラーもシルバーとブラックの2色をラインアップした。
気軽に持ち運べるのは、本体が小さく軽いうえに、全体に凹凸が少なく、なだらかな形状になっているからだ。しかも、同時期に発表されたほかのハンディカムと同様に、レンズカバーも内蔵している。
なかでも目をひくのはバッテリーだろう。ほかの多くの製品のように“装着”するのではなく、本体の内側にすっぽりと“収納”できるのだ。付属バッテリー「NP-FP60」は奥行きが33ミリほどあるが、これを収納してもまだ数ミリほど余っている。なんだか見た目も“ドッキング用のコンテナ収納部を有した輸送機”(サンダーバード2号などとはまったく違うが)のようでしゃれているが、持ち運びやバッグからの出し入れの際には、実用面でかなり貢献してくれる。
バッテリー収納部の両脇はカーブ形状で、そのままビューファインダーへとつながっていく。「HDR-HC1」とは異なり、ビューファインダーは本体に埋め込まれており、また、引き出したりもできないため、撮影時にはカメラがかなり顔に近くなり、押し付けざるを得ない感じだ。いずれにせよ、ビューファインダーは25万ピクセル(0.54型)から12.3万ピクセル(0.27型)へと大幅にスペックダウンしてしまったので、液晶モニター(21.1万ピクセル)のほうが視認しやすいのではあるが。
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