日立製作所は4月4日、地上・BS・110度CSデジタルハイビジョン対応薄型大画面テレビ新製品「“Wooo”9000シリーズ」を発表。プラズマテレビ4機種、液晶テレビ2機種の計6機種を4月29日から順次発売する。
250GバイトHDDに500Gバイトと2倍の録画容量を実現する新技術を採用したHDD内蔵モデルを各画面サイズで用意。42V型と37V型が用意されたプラズマテレビには世界最高解像度「1080ALISパネル」、32インチの液晶テレビには広視野角の「IPSαパネル」とそれぞれ新開発パネルを採用した(ラインアップやスペックの詳細は別記事を参照)。
今回の新製品の売りは、以前から同社が推し進めている“HDD内蔵テレビ”のさらなる進化だ。そのキャッチコピーは「WoooでREC(録画)」。
2003年に発表したWooo5000シリーズで、ハイビジョン放送をストリーミング録画できる「HDDレコーダー内蔵AVCステーション」を提案。昨年のWooo8000シリーズで、そのHDDレコーダ機能をテレビ本体に内蔵して“録れるプラズマ”“録れる液晶”を大いにアピールした。
一方、昨年8月に発表したHDD&DVDレコーダー「Wooo」シリーズでは、500Gバイトや1Tバイトという大容量レコーダーをラインアップして、“ハイビジョンデジタル放送の録画に強い”という製品コンセプトを売り出していた。
今回、37V/42V型のプラズマと32V型の液晶に用意されたHDD内蔵モデル「HR」には、250GバイトのHDDが搭載されている。HDD非搭載モデルとの実売価格差を5万円という小差に抑えて普及を図る狙いだが、昨年Wooo8000シリーズ(160Gバイト)よりも容量アップしたとはいえ、ハイビジョン放送をガンガン録画するにはまだ少々物足りない容量だ。
そこで日立が用意した秘策が、HDDの使用時の容量を増やす新技術「XCodeHD」。これを使うTSE(TSE1/TSE2)モードでハイビジョン放送を録画した場合、250Gバイトの容量に500Gバイト相当(約50時間分)のハイビジョン録画が行える。
従来、ハイビジョンをそのままストリーム記録するTSモードと、録画時間を延ばすためのダウンコーバート記録があった。XCodeHDを使ったTSEモードは、TS記録のビットレートを減らすなどで、ダウンコンバードせずにハイビジョン画質のまま従来の2倍の記録が行えるという。この技術は、カナダのViXS SystemsのHDトランスコード/トランスレートテクノロジーを採用。さらに同社が開発した映像ストリームを効率的に扱うミドルウェア「HPSM(High Performance Streaming Manager)」によるHDD制御によって実現した。
今回のTSEモードは、TSE1で10.8Mbps、TSE2で8Mbpsの転送レートとなる。BSデジタルハイビジョン放送は24Mbps、地上デジタルハイビジョン放送は17Mbpsなので、BSデジタルならTSE1、地上デジタルならTSE2で約2倍の記録が可能というわけだ。
ちなみに、この機能は同時に発表されたHDD&DVDレコーダー新製品には搭載されていない。「技術的には搭載は可能だが、今後の製品で採用するかは検討中」(同社)
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