ダイジェスト再生は、番組録画中に映像や音声を解析し、重要な部分だけを連続再生する機能だ。新スゴ録では、デジタル放送番組のダイジェスト視聴もサポートした。
ただし、単純に音声レベルが高いところ(サッカー中継のゴールシーンなど)を抜き出すだけではない。「おまかせチャプターを発展させたようなアルゴリズム」(同氏)を用い、EPGデータに含まれる番組ジャンルを参照して内容に則した動作をするという。対応できる番組のジャンルは「ニュース」「サッカー」「格闘技」「音楽」「その他」。たとえばニュース番組なら、スタジオ内でアナウンサーがニュースを読み上げるシーンを選び出してダイジェスト化する。
「ニュース番組は、まずニュースの内容をアナウンサーが伝え、ビデオなどで付加的な情報を加える。映像の特徴を検出することで、ニュースの重要な部分だけを見ることができる」。
ダイジェスト再生は、再生時に「短め」から「長め」まで5段階の視聴時間を選択できる。またダイジェスト再生と「早見再生」「NEXT」などの併用も可能にして操作性を向上させた。たとえば、ダイジェスト再生中にリモコンの「黄色」ボタンを押すと音声付きの早見再生に移行。NEXTボタンを押すと、早見再生を維持したまま、次の“見どころ”に移動できる仕組みだ。
「PSP」などで録画番組を持ち出せる「おでかけ・スゴ録」機能も大幅に進化した。まず、内蔵のリアルタイムMPEG-4 AVCエンコーダーがVBR(可変ビットレート記録)をサポート。シーンに合わせてビットレートを配分することで画質を向上させるという。また今回はデジタル放送の“おでかけ”にも対応。「PSP」(メモリースティック PRO デュオ使用)に移す際はムーブになってしまうが、ハイビジョン放送はアナログ地上波よりも良好な画質で記録できる。
さらに、テレビで視聴していた録画番組の“続き”だけを「PSP」に入れて持ち出したり、前述の「ダイジェスト再生」機能を利用して“ダイジェスト化した番組”を書き出すことも可能だ。ただ、続き録画はアナログ放送番組に限られるほか、ダイジェストの記録では書き出しの際に再エンコードが発生するため、再生時間と同じ時間が必要になるといった制限も付く。
一方、DLNAのホームサーバ機能は、DVDレコーダーとしては初めてDTCP-IPを正式にサポートした(松下DMR-E500Hは独自対応)。これにより、同社の「VAIO」シリーズなどDTCP-IP対応のクライアントがあれば、デジタル放送の録画データもネットワーク経由で配信できることになる。もちろんネットワーク再生とテレビ再生の併用も可能。「たとえばリビングルームでスゴ録を使用しているとき、他の部屋からネットワーク経由で別の番組を再生することができる」(中村氏)。
このほか、従来モデルに搭載されていた「x-おかませ・まる録」や「x-Pict Story HD」「おまかせHDVダビング」といった機能は全モデルが継承。HDV 1080i対応のDV端子やHDMI出力も共通仕様となっている。また、各DVDメディアへの書き込み速度や編集に関する機能なども従来モデルと同等ながら、新たにDVD-RAM(殻なし)の再生をサポートするといったアップデートもある。
ソニーの中村氏によると、HDDの大容量化や2番組同時録画機能を搭載したレコーダーの登場により、一般ユーザーがテレビ番組を録画する機会は確実に増えているという。しかし、視聴時間は簡単に増やせず、HDDの中に溜め込まれるだけの番組も多い。
「スゴ録は、x-おまかせ・まる録や携帯電話予約で“確実に録る”ことができるようになった。そして次の段階は“効率よく観る”こと。『おでかけ・スゴ録』やDLNA対応はテレビを視聴する場所と時間を拡大し、ダイジェスト機能では“見どころ”だけを効率的に観ることができる」(同氏)。
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