試用では、光学7.1倍ズームを十二分に味わうことができた。標準的な光学3倍クラスのコンパクトデジカメに比べ、焦点距離がワイド側にもテレ側にも強いので、構図の自由度が格段に高く、撮る楽しみを満喫できる。
例えば下の作例のように、同じ観覧車を撮る場合でも、ズームのワイド側を利用して近景と絡めたり、ズームの中間域にしてほかの被写体と組み合わせたり、テレ側で引き付けて撮ったりできるなど、様々な構図のバリエーションを試せる。
手ブレ補正は、内蔵のセンサーがブレを検出し、そのブレ量に応じてCCDそのものを動かして補正する仕組みだ。他社の多くの手ブレ補正機能とは異なり、「常時補正」と「撮影時補正」の切り替えはできず、手ブレ補正ONの場合はいつも「撮影時補正」の状態となる。したがって液晶上では補正の効果を確認できない。特にズームのテレ側を使う場合には画面が安定しないのがやや気になるが、補正の効果自体は十分にある。
下の作例はそれぞれ、ズームのワイド付近でシャッター速度1/2秒、中間域で1/3秒、テレ端で1/12秒という難条件だったが、補正の効果によってブレずにシャープに写っている。ただし、いずれも三脚は使っていないが、その場にあった台や手摺りにカメラを押し当てて慎重にシャッターを押した結果だ。まったくの手持ちで撮る場合には、もう少し感度を上げ、シャッター速度を高めたほうが安全だろう。
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