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無機質なキューブ型の密室にワケも分からず閉じ込められた男女たち。しかも同じ部屋が無数に存在し、それぞれの部屋の壁、天井にはハッチが取り付けられており、隣の部屋と自由に行き来できるようになっている。だが、部屋には殺人トラップが仕掛けられていて……。そんな斬新なアイデアが受け入れられ、低予算ながら大ヒットを記録したSFスリラー「CUBE」。そのシリーズ第3弾にして、完結編が登場。
「2」の続きではなく、「1」の前日譚が描かれた「ZERO」は、謎の立方体に閉じ込められた人々の決死の脱出劇と、監視者の動向にも焦点が当てられる。監督は「CUBE2」で製作と脚本を手掛けたアーニー・バーバラッシュ。VFXは「ドーン・オブ・ザ・デッド」などを手がけたミスター・エックス・インク工房が担当。
鋼鉄製の密室がどこまでも続く空間。ハッチを開け、次の部屋に入った男は壁のノズルから噴き出した溶解液を浴びて、絶命する。モニターでその凄惨な様子を注視するウィン(ザカリー・ベネット)とドッド(デヴィッド・ヒューバンド)。彼らは薄暗い一室にこもり、CUBEの管理とその中にいる被験者の観察を行っている職員だ。
ある日、ウィンは被験者の女性レインズ(ステファニー・ムーア)のデータを整理している際に、小さな疑問を抱く。政治活動家だったレインズには、被験者からとるはずの同意書がなかったのだ。彼女は強制的に収容されたのではないだろうか? 一方、CUBE内ではレインズがほかの被験者・男女4人と遭遇し、各部屋に殺人トラップが仕掛けられていることを知る。彼らはCUBEから脱出することができるのか? そしてCUBEの存在意義とは?
たとえ1つのCUBEから出口を見つけることができても、それは悪夢の始まりでしかない。次の部屋にはさらなる恐怖が待ち受け、ありがたくない工夫を凝らした死のトラップが仕掛けられている。初期型CUBEということで、前2作よりも無骨な金属むき出しの質感だが、その分、仕掛けは残酷さを増している。肉体をドロドロに溶かすシャワーや、肉も骨も切り裂く無数の極細ワイヤー、骨も内蔵も木っ端みじんにする超音波など、視覚に訴える残酷かつグロイものばかり。
目新しい点といえば、CUBE内のサバイバルと並行して、CUBEを監視する者たちの動向が描かれたこと。CUBEの存在意義を知らずにただ与えられた仕事をこなす監視員、CUBEを操る幹部の正体、監視システムなど、外部の謎も明かされていく。
特典映像は「CUBE」製作の舞台裏に潜入。撮影風景のほか、監督のこだわった点などを探る。
これでひとまず完結。1作目の「CUBE」を愛する人にとっては不満も残るだろうが、個人的には及第点をあげたい。前2作を知らなくても、本作単品で楽しめます。でも、できればビンチェンゾ・ナタリ監督の名を知らしめた1作目は見て欲しい。ポニーキャニオンから発売中です。
関連サイト:http://www.cube-zero.jp/(公式サイト)
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