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いよいよホームシアター市場へ?――キヤノン、LCOSプロジェクター新製品(1/2 ページ)

» 2006年04月26日 15時57分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 キヤノンは4月26日、液晶プロジェクター“キヤノンパワープロジェクター”の新製品を発表した。ラインアップはLCOSパネルを採用した「SX6」「SX60」「X600」と、TFT液晶パネルを採用した「LV-7255」「LV-7250」の5機種。

 「SX6」「SX60」は5月中旬、「X600」「LV-7255」は6月、「LV-7250」は7月から発売する。価格は「SX6」が79万8000円、「SX60」が69万8000円、「X600」が49万8000円、「LV-7255」が34万8000円、「LV-7250」が19万8000円。

photo “キヤノンパワープロジェクター”新ラインアップ

 「SX6」「SX60」「X600」はLCOS(Liquid Crystal on Silicon)を採用した液晶プロジェクターで、2004年10月に発表した「SX50」の後継シリーズ。今年3月に行われたカメラ展示会「PIE2006」の同社ブースでも参考出展されていた

photo LCOSプロジェクター「SX6」「SX60」「X600」。3モデルの筐体は共通(写真はSX6)

 「SX6」「SX60」のLCOSデバイスは、SX50と同じ日本ビクターの「D-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier)」の0.7インチ(アスペクト比4:3)タイプを使用し、リアルSXGA+(1400×0150ピクセル)の高解像度表示を可能にした。「X600」は同じく0.7インチD-ILAだが、解像度がXGA(1024×768ピクセル)のパネルを採用。入力端子はDVI-I、ミニD-Sub15pin、S映像、コンポジットを各1系統装備した。

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 LCOSデバイスは、従来プロジェクターが多く採用している透過型液晶パネルの欠点であった投写画面の黒い格子縞が目立たず、滑らかな画像表現が可能なのが特徴。画素間の隙間もほとんどないため、細かい文字や線などがクリアに表現でき、表計算ソフトやCADソフトなど情報量の多い映像表示に強いというのもメリット。

 その一方で、偏向ビームスプリッターを使うLCOSの光学系は光漏れが発生してしまい、輝度をかせぐために照明系を明るくするとコントラストを悪くするというのが課題だった。同社は前機種のSX50で、新光学エンジン「AISYS」を採用。縦・横方向の光をそれぞれ独立してコントロールすることで高輝度と高コントラストを両立させた。

 今回の新製品では、照明光学系でさらなる光の均一性を向上させたほか、色分離合成光学系では光利用効率をアップさせるなど、AISYSをさらに進化させている。

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 また、冷却風の抵抗を減らす形状の吸気口や風が通りやすい直線的な素子配置、大型低回転ファンなどで、27デシベル(SX60、静音モード時)の静音化を実現した。ボディデザインはSX50のスタイルを踏襲しているが、静音対策などで筐体はやや大型化。サイズは266(幅)×336(奥行き)×114(高さ)ミリ・重さ約4.7キロ(SX60は約4.6キロ)。

 レンズは光学1.7倍の電動ズームレンズを搭載。設置の際の各種設定(ピント合わせ、台形歪み補正、入力信号選択、スクリーン色補正)をボタン1つで自動で行うオートセットアップ機能を装備した。

photophotophoto スクリーン(背景)がピンクでもワンボタンで自動補正
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