ジョニー・キャッシュって何者？――「ウォーク・ザ・ライン／君につづく道」：新作DVD情報
ウォーク・ザ・ライン／君につづく道 ＜2枚組特別編＞
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1950年代、エルヴィス・プレスリーとともにロカビリーの黄金時代を築きあげたJCことジョニー・キャッシュ。ボブ・ディラン、ベック、U2ら数多くのアーティストがリスペクトし、2003年に71歳で他界するまでのレコード売り上げは全世界で5000万枚以上、グラミー賞受賞は11回という輝かしい記録を誇っている。このカントリー界のカリスマと、彼の2度目の妻となる運命の女性ジューン・カーターとの10数年に及ぶ愛の軌跡を見つめた伝記映画である。
ジョニー・キャッシュ役には、本人が生前に指名したという「ヴィレッジ」「炎のメモリアル」のホアキン・フェニックス、ジューン・カーターには、同じく彼女が生前に指名したリーズ・ウィザースプーンが扮している。2人は3カ月半のレッスン、リハーサルを経てそれぞれの歌い方をマスターし、吹き替えなしの生歌を披露。ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門で作品賞、主演男優賞、主演女優賞の主要3部門を受賞したほか、アカデミー賞で主演女優賞にも輝く。
アメリカに、まだ大恐慌の影がたちこめていた1944年。12歳のジョニーは、父のレイ（ロバート・パトリック）、母のキャリー（シェルビー・リン）、兄のジャック（ルーカス・ティル）とともに、アーカンソー州ダイエスの失業救済局作業場で暮らしていた。しかし、一家の貧しい生活は一向に楽にならず、父は酒に溺れる日々だった。そんなジョニーの心の慰めとなったのは、牧師を目指す兄ジャックの優しさと、ラジオから流れてくるゴスペルやカントリー音楽。ところが、最愛の兄が突然の事故でこの世を去ってしまう。
出来のいい息子を失ったショックでますます荒れ、暴力を振るう父親とジョニーとの確執は広がっていくばかり。やがて空軍に入隊したジョニーは実家を離れ、ドイツに駐屯し、除隊後に初恋の女性と結婚する。セールスマンという仕事の合間に友人とゴスペル・バンドを組んで音楽を楽しむジョニーだったが、家計は苦しく、夫婦の仲も冷え切っていった。
ある日、ジョニーは街角で偶然見かけたレコード会社で、オーディションの機会を得る。そこで空軍時代に書いた囚人の心の叫びとも言える歌を熱唱し、実力を認められ、念願の歌手に転向。そして瞬く間にプロのミュージシャンとしての第一歩を踏み出すことになった。早速、同じレコード会社のエルヴィス・プレスリーらと全米ツアーへ参加。彼は少年時代から憧れていたカントリー歌手のジューン・カーターと出会い、彼女に惹かれていく。だが、「友人のままでいたい」とジューンに拒まれたジョニーはドラッグに溺れ、ツアーにもアナを開けるようになり……。
兄の事故死以来、自分が何のために生きているのかと苦悶するキャッシュ。そのナイーブで不器用な生き方と、そこから脱出したいという叫びが画面いっぱいにさく裂する。リーゼントに全身真っ黒のスーツに身を包んだホアキンはまさにハマリ役。そして、アカデミー賞を受賞したリーズ・ウィザースプーン。この人、なぜか日本では人気がないのだが、アメリカでは「キューティ・ブロンド」シリーズなどを大ヒットさせ、新ラブコメの女王の異名をとるドル箱スターなのだ。キャッシュの求愛をなかなか受け入れず、けれど母性のような愛情で包み込むジューンを熱演し、その実力をしっかりと証明してくれた。
DVDは特典ディスク付きの2枚組でリリース。監督の音声解説、音声解説付きの未公開シーン、全8曲のミュージック・コレクション、本作のモデルとなったジョニー・キャッシュ物語、メイキングなどの特典を収録。
関連サイト：
http://www.foxjapan.com/movies/walktheline/（公式サイト）
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