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遠出のおともに最適な“ブレない”サイバーショット――ソニー「DSC-H5」レビュー(1/5 ページ)

» 2006年05月16日 08時52分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 今の売れ筋は圧倒的に薄型スタイリッシュコンパクトだけど、地道にがんばってる高倍率ズームモデル。ハイエンドデジカメがデジタル一眼レフの低価格化と人気で厳しい戦いを強いられているが、一眼レフより小型軽量で手軽なボディを持ちながら、36〜432ミリミリ相当という驚異的なズーム倍率を楽しめるのはほかには代え難い面白さだ。一眼レフ+望遠レンズでは重たくて持って行く気にならない(何しろ、同等の画角を実現するには300ミリのレンズが必要だし、広角側もと思うと1本じゃあ賄えない)けど、高倍率ズーム機なら普通のバッグにひょいと突っ込んで持って行けるし、手ブレ補正まで付いてる。

 もちろんクオリティでは一眼レフに劣るけれども、機動力重視の時は圧倒的にこっちが便利なのだ。個人的にはすごく好きなジャンルである。

 でも、「12倍ズーム+手ブレ補正」という高度なスペックが要求されることや、CCDシフト式というユニークな補正機構を持つコニカミノルタが撤退したことで、このジャンルに残ったのは事実上3社になってしまった。2006年に春モデルを出してきたのはパナソニックとキヤノンとソニーだけ。ちょっと残念だが、市場規模が大きなジャンルではないので群雄割拠してもしょうがないのだ。

 今回とりあげるのはソニーの「DSC-H5」だ。

ボディは大きめだが、円筒の鏡胴部と飛び出たグリップが印象的なやや流線型のデザイン

3.0インチ+高感度の大型モデル

 2005年に第1弾が登場したソニーのサイバーショット Hシリーズ。その特徴は「でかい液晶モニター」だった。

 高倍率ズーム機ではしっかり構えて覗いて撮るためのEVFが不可欠であり、大きな液晶ディスプレイをつける余地があまりなく、2005年でいえば松下電器産業の「DMC-FZ5」もキヤノンの「Powershot S2IS」も1.8インチだったところにソニーの「DSC-H1」は2.5インチ。2006年では松下電器産業の「DMC-FZ7」が2.5インチ、キヤノンの「PowerShot S3 IS」が2.0インチと大きくなったところに、3インチ液晶を搭載してきたのである。並べてみるとそのデカさは歴然。

 DSC-H5のもうひとつのポイントは2006年春モデルのトレンドである「ブレ対策」。もともと光学式手ブレ補正は搭載しているが、新たに2006年版サイバーショットと同様、ISO1000までの高感度が追加された。

 これはうれしい。高倍率ズーム機は運動会から競技観戦までスポーツを撮ることが多いと思うが、それだと感度を上げてシャッタースピードを上げないと被写体ブレを防げないケースも多いからだ。

 この辺をふまえつつ実際に使ってみる。

グリップサイドから電源オフの状態。レンズが引っ込んでいるときはグリップからあまりはみださない
グリップサイドから電源を入れ、フラッシュをポップアップさせた状態。結構大きくポップアップする
真正面から。レンズはカールツアイスのVario-Tessar。大きなレンズが印象的。グリップ部にダイヤルがある

 DSC-H5はグリップがしっかりした、かなりずんぐりサイズの光学12倍ズームデジカメ。36〜432ミリでF2.8〜3.7のレンズを搭載。CCDは1/2.5インチの720万画素。他社の同等モデルより一足先に7メガにしてきた。

 個人的には画素数を増やすよりダイナミックレンジを広げたり高感度時の画質向上に注力して欲しい気もするが、従来の600万画素機と同等の感度・性能を維持はしているという。

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