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衝撃の1000万画素超コンパクトデジカメ――カシオ「EXILIM EX-Z1000」レビュー(1/4 ページ)

» 2006年05月23日 15時38分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ついにコンパクトデジカメの画素数が1000万画素の大台に乗った。カシオ計算機から登場した「EXILIM ZOOM EX-Z1000」は、いわゆる薄型コンパクトデジカメにもかかわらず撮像素子の有効画素数が1010万画素と高画素化した意欲的なモデルだ。

 1000万画素オーバーを意識させない薄型コンパクトデザインの注目カメラEX-Z1000をレビューしてみた。

photo ついにコンパクトでも1000万画素を突破した

コンパクトで1000万画素オーバー

 薄型コンパクトデジカメの代名詞とも言えるEXILIM ZOOMの最上位モデルであるEX-Z1000の最大の特徴は、なんといっても有効1010万画素のCCDを搭載した点だ。1000万画素を超える撮像素子を搭載したカメラは、デジタル一眼レフを除けばソニーの「サイバーショット DSC-R1」(有効1030万画素)ぐらいしか思いつかない。DSC-R1は大判のCMOSセンサーを使った、ほとんど一眼レフ並みのスペックの製品なので別格だと考えれば、1/1.8型という小型CCDを採用したコンパクトデジカメで有効画素数が1000万画素を超えたのはこれが初めてだ。

 ちなみに、韓国Samsungが今年のCeBIT 2006で1000万画素・光学3倍ズームレンズを搭載した「世界初の携帯電話」(Samsung)を出展していたが、少なくともコンパクトデジカメのジャンルでは初めての製品だろう。

 1000万画素というと、デジタル一眼レフでも完全に一般的とは言えず高級機がほとんどであることを考えれば、過剰ともいえる画素数ではある。それを1/1.8インチという小型の撮像素子に詰め込んできたのだから素直に感心してしまう。

 同じ撮像素子サイズで画素数を増加していくと、一般的には画質に影響があるといわれているが、それとともに果たしてコンパクトデジカメで1000万画素も必要なのか、という議論はある。L判写真には200万画素程度で十分ともいわれるが、PCでトリミング作業をするなど、画像に手を入れる場合は高画素の方が何かと便利な場面も多い。ただ、1000万画素となるとPCでのハンドリングやHDDやメモリカードの容量圧迫といった問題も出てくる。

 逆に、高画素を生かした機能としては、松下電器産業も「LUMIX」シリーズで搭載した「EX光学ズーム」という手法もある。これはPCで画面中央をトリミングして疑似的にズームしたように見せるやり方をカメラ内でも行う疑似的な光学ズームで、解像度は下がるが画質の劣化がない、というメリットがある。今回のEX-Z1000にも「HDズーム」という名称で同様の仕組みが投入されており、VGAまで解像度を落として17.1倍ズームが実現できるのは、1000万画素オーバーゆえのメリットだ。

 もちろん、同様のことはPCでトリミングすればいいのだが、カメラ内でできる方が手軽だし、むしろ1010万画素を常に使わず、500万画素でズーム倍率を稼ぐ、という使い方もありだろう。

 さて、それはともかくとして肝心のEX-Z1000だ。一見すると1010万画素CCD搭載のモンスターカメラには見えない、EXILIMらしい薄型コンパクトなボディ。カメラ全体の質感も悪くない。外装にはステンレスを採用しているため、筐体がつるつる滑りそうな感じだが、手触りもよく高級感がある。

photo シンプルな本体背面。一見して液晶がワイドなのが分かる。親指を置く位置に凹凸があり、一応滑り止めを意図しているのだろうが、素材が変わらないため、あまり効果はなさそうな印象だった

 本体前面は、向かって右側にレンズ、ほぼ中央上部にフラッシュがあるだけのシンプルな外観。上部にはズームレバー一体型のシャッターボタンと電源ボタン、DISP(ディスプレイ)ボタン、再生ボタン、撮影ボタンが並ぶ。本体背面にはMENUボタン、十字キーと中央ボタン、BS(ベストショット)ボタンが配置されている。

photo レンズは沈胴式の光学3倍ズーム。焦点距離は38〜114ミリ、F値はF2.8〜F5.4

 全体的にボタン数も少なく、デザインも奇をてらったところのないシンプルなもの。全般的にこれまでのEXILIM ZOOMシリーズのデザインが踏襲されているので、既存ユーザーは操作に迷うことはないだろう。

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