ITmedia NEWS >

デジタル化で写真撮影の敷居が低くなった――秋田好恵写真家インタビュー(1/3 ページ)

» 2006年05月31日 14時56分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 プロの撮影機材は重い。カメラだけでなく、レンズやストロボ、照明機材なども含めると相当な重量になる。それらを軽々と持ち運び、当たり前のように使いこなすがプロの写真家というイメージがあるかもしれない。だが、写真家みんなが重い機材を好んでいるわけではない。

 今回インタビューした女性写真家の秋田好恵さんも、重い機材は苦手だという。女性だから体力的にきついという理由だけではない。被写体の動きの一瞬をとらえるためには、カメラを手で持ち、自分自身が動き回りながら撮りたいと思うからだ。

 依頼された仕事の場合には、大判や中判のカメラを三脚にセットして撮ることもあるが、創作活動では主に35ミリの一眼レフ機を愛用しているという。そして近年は、小型軽量のデジタル一眼レフ機を積極的に導入し始めた。そんな秋田さんに、デジタルの可能性や創作活動の秘密をうかがった。

photo

秋田好恵さん: 鹿児島県生まれ。写真家 杵島隆氏に師事。妊婦、母子、赤ん坊、女性などを動きあるヌードで撮ることが多く「生命」をテーマに撮影を続けている。生命感、躍動感などを表現することを好み、「昇華」シリーズや「妊婦の肖像」、「体温」、「一瞬と永遠のうた」などニューヨーク展、タシケント展ほか13回の個展で発表。近年は女性の持つ芯の強さに惹かれ、さまざまな女神に結びついた「女神シリーズ」を発表している。ホームページはhttp://www.alpha-net.ne.jp/users2/gtakita/stgt3/stgt3.html



――秋田さんは、今年3月に「OLYMPUS E-500による女性写真家展」に参加されましたが、デジタルカメラは早い時期から使っていたのですか?

秋田さん: 仕事では数年前から導入していました。私より先に、つれあい(写真家秋田淳之助氏)がデジタルを始めていて、十分に実用的なことは当時から知っていましたので、デジタルを使うことにまったく躊躇はありませんでした。

 ただ、プロ用の大きくて立派なデジタルカメラの場合、私にとってはメニューなどの操作性が複雑すぎて、必要な機能を呼び出すのが少々やっかいに感じていました。難しいことは全部、若いスタッフに任せきりです。

 そんな時、たまたまオリンパスの写真展の話をいただき、「E-500」を使用しました。使いたい機能がすぐに呼び出せる操作性になっていて、機械オンチの私でも抵抗なく、素直に扱うことができました。また、ボディが小さくて軽いこともありがたく感じました。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.