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レスキューロボット「Hibiscus」を操縦してきましたっぽいかもしれない(1/2 ページ)

» 2006年06月05日 23時08分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]

 千葉工業大学の未来ロボット技術研究センター(fuRo)の新しいレスキューロボット「Hibiscus(ハイビスカス)」の発表会にいって来た。速報は既に掲載されているので、こちらではもうすこし詳しい話を動画とともに紹介しよう。それに、ちょっと操縦もさせてもらったのだ。

 Robocupの大会には、サッカーだけではなくて、レスキューの競技もある。その中でも実機リーグは、人工的に作った瓦礫の山のなかに埋もれた被害者(の人形)をロボットで探し出すというものだ。これは実際の現場でもそうなるのだが、実際に助け出すのは人間のレスキュー隊員だ。ロボットに求められるのは、まだ生存している被害者がどこにいて、そこにたどり着くのにどのルートを通れば安全かという情報を集めてくることだ。

 このロボカップレスキュー実機リーグで、2004年2005年と世界大会2連覇を果たしたのが桐蔭横浜大学のチームペリカンだ。そして、そのチームを率いていたのが小柳栄次教授と吉田智章先生である。この二人がこの春からfuRoに所属をうつし、千葉工業大学の学生と新たに作ったのがHibiscusというわけだ。なお、二人は桐蔭横浜大学でも引き続き講義を担当し、Robocupにも出場する。

photo 向かって左が小柳先生、右が吉田先生。

 このような経緯なので、デモンストレーションは旧機種――コードネームで「03(ゼロスリー)」と呼ばれていた。ちなみにHibiscusは「08」)――との比較の形で行われた。ディフェンディングチャンピオンを自分で敗りに行ったのである。

photo 向かって左がHibiscus、右が03。Hibiscusのカメラ位置は暫定。最終的には03同様にアームの上に取り付けられる予定
photo Hibiscusの分解展示。まだピカピカだ。側面に飛び出しているギアにはカバーをつけるかもしれないとのこと

 どちらも、ボディーにメインのクローラー*1があり、前後に2本ずつのフリップアームと呼ばれる「腕」のクローラーがあるという形をしている。でもその形が違う。Hibiscusのメインクローラーはほとんどボディ全体を覆う。

 このため、ボディーの下に岩などが入り込んでスタックしてしまうということが起きない。また、03のフリップアームは先が細くなっていた。これは「何となくこの形状がいいんじゃないか」で作ったのだそうだけど、実際に使ってみると、その細い先が潜り込んで動けなくなるということが発生しやすかったんだそうだ。そこで、Hibiscusのフリップアームは先の方がむしろ大きくなっている。


*1いわゆるキャタピラのこと。キャタピラというのは米国Caterpillar社の登録商標なので、一般名詞としてクローラーと呼ぶのだ

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