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超高感度で撮れるスナップデジカメ――「FinePix F30」レビュー(1/4 ページ)

» 2006年06月26日 11時36分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 昨春発売の「FinePix F10」は、コンパクトデジカメの高感度としては画期的な高画質を実現した。コンパクトデジカメの小さなCCDの場合、高感度ではノイジーになるのは仕方ないと思われていたが、FinePix F10はその固定観念を崩した。昨秋にはマイナーチェンジ機「FinePix F11」が登場。CCDや回路に変更はなかったが、シャッター優先AEや絞り優先AEに対応したことで撮影の自由度が広がった。

 そして、この春フルモデルチェンジをして新登場したのが「FinePix F30」だ。新世代のスーパーCCDハニカムの搭載とノイズリダクション回路の改良によって画質が向上し、従来より1段上の最高ISO3200の高感度を達成した。フラッシュオフで撮る場合に手ブレや被写体ブレを低減でき、フラッシュオンで撮る場合には背景を明るく写せる。

photo 「FinePix F30」。見た目にはオーソドックスなデザインのコンパクトデジカメだ
photo 背面のFボタンを押し、感度メニューを表示。感度オートは、最高400までと最高1600までの2種類を選べる

 ISO3200の画質がどの程度なのかは、実際に撮った作例を見るのが早い。低感度側の画像に比べれば当然ノイジーではあるが、ISO3200で撮れる数少ないコンパクトデジカメの中では最優秀といっていい。フィルムの場合でもISO3200ならかなりざらつきが生じるので、一眼レフ機ではない手軽なスナップ機でこれだけ撮れれば御の字だ。

 感度メニューでは、ISO100〜3200までの6段階と、2種類のAUTOモードを選べる。画質重視なら、明るさに応じて最高でISO400までアップする「AUTO(400)」を、ブレ防止を優先するなら最高でISO1600までアップする「AUTO(1600)」をそれぞれ利用するといい。また撮影モードを「ナチュラルフォト」や「ブレ軽減」にセットした場合には、感度は自動的に最高ISO3200まで上がる。

 個人的には、少しでも高画質で撮りたい欲があるので、ISO3200はどうしてもブレを抑えたい特別なケースのみで使用し、積極的には選ばない。ISO3200の実現は高く評価するが、わたしにとってはそれ以上にISO800や1600の画質が従来よりレベルアップしたことがうれしい。

photo ISO3200で撮影。拡大表示すると細部にざらつきが見られるが、コンパクトデジカメのISO3200としては非常に優秀だ
photo ISO1600で撮影。シャッター速度が速くなり、フラッシュを使わずに手ブレのない撮影ができる
photo ISO1600で撮影。暗い場所で動体を撮る場合に、被写体ブレを防げるメリットは絶大だ
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