幸い、要救助者はいなかったようだ。ロボットはボンベに近づき、その外見や、液体が漏れていないかなどの状態をチェック。そして、ロボットはその位置で停止。ボンベの監視をし続けるのだ。
地下街の検索が終わった。情報をICタグ(かなり大きく作ってある)に書き込んで地下街の入り口扉に引っ掛ける。
レスキュー作業は所轄消防隊へ引き継ぎ、IRS-Uは後方支援にまわる
以上で、訓練終了。
IRS-Uメンバーの消防隊員の人に、どうしてボランティアでこれに参加しているのかを聞いてみた。
「近い将来使われるようになるだろうものにいち早く触れてみたいということ。それに、やっぱり楽しいですから」
ボランティアをするにあたってそれが楽しいというのは美しい。
この実証実験・想定訓練とは別に、自由実験という形で、他のロボットもデモされていた。
文部科学省は2002年から5カ年計画の「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」(大大特)を実施しており、今年が最終年になる。これは、「首都圏や京阪神などの大都市圏において、大地震が発生した際の人的・物的被害を大幅に軽減するための科学的・技術基盤を確立することを目的とした研究開発」であり、大きく分けて4つ、細かく分けると7つのテーマについての研究開発を行うものだ。IRSは、このうちの「レスキューロボット等次世代防災基盤技術の開発」研究の中核機関として位置付けらている。
IRCは最初の2年は個別の要素技術の研究、その後はそれらを統合した技術の研究という風に進んで来た。そして最終年の今年には、とにかく使えるところまでやってきたのである。そして、大大特プロジェクト終了後も、IRCは存続し、さらに使えるものの開発研究を目指して行くそうである。
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