ヤマハエレクトロニクスマーケティングが主催する「お父さんのための、ホームシアター講座」は、同社のAVアンプやスピーカーを用い、ホームシアターの基礎知識や、正しい設置方法、製品によって異なる音質を体験できるセミナーだ。
2005年6月からこれまで、東京、名古屋、大阪と5回実施され、参加費が無料ということもあり毎回定員を超える申し込みがある人気のイベントだ。比較的ライトユーザー向けのイベントを企画した経緯や、「お父さんのため」と銘打った理由を、自らも講師として説明を行うという同社の広報室 室長 石川善郎氏に話を聞いた。
もともと秋葉原の催事スペースを使い、自社製品のホームシアター向け用品やオーディオ用品の視聴会を行ってきたという同社だが、石川氏によれば「お父さんのための…」というタイトルを付けた一連のセミナーは、従来の視聴会とは性格が異なるものだという。
「ちょうど20年前の1986年から、秋葉原のラジオ会館などのスペースをお借りして、弊社のスピーカーやアンプ、プレーヤーを使ったホームシアターセットの視聴会を行ってきました。ただ、こうした場で使用されるのは秋葉原という場所や、訪れるユーザー層を考慮してかなり高額なハイエンドの製品でした」
現在でも続けれられているこうした視聴会は、同社のフラッグシップモデルを使ったマニア向けのイベントという性格が強い。すでにオーディオビジュアルについて充分な知識や経験があり、自ら情報を求めるユーザー層への働きかけとしては有効だが、これからホームシアターを作ってみたいという層には敷居が高くなってしまう。
石川氏は、同社のホームシアター/オーディオ製品のユーザーを4つのグループに分類できるとしている。充分な知識と経験があり、時間とお金を豊富にかけられる「エンスー/マニア層」、手ごろな製品を組み合わせ、自身のシステム作りを楽しむ「DIY層」、既に完成されたホームシアター環境を求める「エンジョイ層」、そして興味を持ち始めたばかりの「入門層」。
この中で石川氏は「DIY層」、つまり肩に力は入っていないが、コストパフォーマンスが高い製品を選び、自身でシステムを組む「お父さん達」に注目した。ある量販店が企画し同社に依頼したホームシアター講座が好評だったこともあり、レギュラーで開催することにしたという。
「企業として、常に新しいユーザー層へ訴求していく必要があります。そこで弊社では、エンスー予備軍ともいえるDIY層の方々に、ホームシアターの組み方を知っていただき、魅力を伝えたいと思いました。もちろん、自社製品を知ってもらい、買ってもらいたいというプロモーションの意味もありますが、まずは、本当のオーディオの楽しさ、ホームシアターの楽しさを知って欲しかったのです」
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