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「リカちゃん電話」がPCへ進出東京おもちゃショー2006(1/2 ページ)

» 2006年07月14日 22時45分 公開
[後藤治,ITmedia]

「リカちゃん電話」がPCを使ったテレビ電話に進化

 タカラトミーは、「秘密基地をつくろう」シリーズを皮切りに、PCとの連携機能を持つ玩具の開発に取り組んでいる。同社のブースでは、今回の東京おもちゃショーで初披露となる「リカちゃんテレビでんわ」が展示されていた。価格は7875円で10月に発売される見込み。

 リカちゃんテレビでんわは、玩具の電話とPC用ソフトをパッケージにした製品で、従来の音声会話だけでなく、PCのディスプレイに表示されたリカちゃんの表情を見ながら会話をできるのが特徴だ。

 会話用に収録されている音声ファイルは約5時間。人工知能のような学習機能は持たないものの、音声認識機能を備えており、ユーザーとリカちゃんの間で自然に会話が成立するようになっている。例えば、リカちゃんが「犬が好き? 猫が好き?」と二者択一の質問を子供に投げ、その返事にあわせて会話の流れが決まるといった仕組みだ。また、「猫」という単語を認識するだけでなく、「にゃんにゃん」などの幼児語もデータベースとして保持しており、質問した単語が別の単語で返答されたときでも極力フォローするという。また、あらかじめ名前や誕生日などを登録しておくことで、これらの情報を会話に織り交ぜてくれる。

USBで接続したPCのディスプレイにリカちゃんが登場し、お話をしてくれる。電話機はすべてのボタンをプッシュできるしっかりとした作りだ。ボタンが光らないのが残念(製品版では“Licca”のロゴは光るとのこと)

 リカちゃんとの会話機能のほかに、家族間のコミュニケーションツールとして留守番電話機能を搭載しているのも特徴の1つだ。冷蔵庫の扉に貼られたメモのような感覚で、子供から親へ、親から子供へ音声でメッセージを残すことができる。1回の録音で残せる時間は15秒。録音できる回数は無制限(HDDの空き容量に依存)だが、親側が残せるメッセージは1つだけで追加の分は上書きされる。

タカラトミー タカラトイ事業本部 ニュープロダクト事業部 係長 高橋英之氏

「年齢層が低いユーザーをターゲットにしているので、例えば子供がメッセージを再生するときに迷ったりしないよう、煩雑なインタフェースを極力排除し、親が記録できるメッセージはあえて1つまでに絞りました。逆に子供のメッセージを無制限にしたのは“声”そのものを思い出としても残せるからです。動画や写真はあっても、子供の頃の声を“アルバム”にしている人は多くないでしょう」(高橋氏)

 おなじみの「秘密基地をつくろう」は、PC関連の玩具とはいえ、あくまでも一部の大人を対象としたモノ。低年齢を対象にした“for PC”のデジタルトイはこれが第1弾となる。

「PCの世帯普及率が約8割という現状を考えると、これはインフラとして十分に整っている――つまり投入する製品も年齢に縛られることはないと判断しました。また、PCの性能を生かすことで、コミュニケーションツールといった今までにない機能を玩具に付加できるメリットもあります」(高橋氏)

 タカラトミーは「リカちゃんでんわ」というキラーコンテンツを武器に、PCと連携する“新しい玩具”の展開を図る。

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