シャープは7月24日、住宅用太陽光発電システムとして、電力変換効率を向上させた新型のパワーコンディショナ2機種を発表した。電力変換効率が従来より3%向上し、4.28kWの太陽電池パネルと組み合わせた場合の上乗せ分は液晶テレビ1台分に相当するという。
パワーコンディショナは、太陽電池が発生する直流電力を家庭用の交流に変換する機器。新製品の「JH-S6A2/L6A3」では、独自のマルチストリング機能(太陽電池の入力枚数が異なっても電圧を調整する機能)を継承するDC/DCコンバータを新開発。電力変換効率を、出力3kWタイプの太陽電池パネルの場合で94.5%、4.5kWタイプで94%と、従来機の「JH-L513」にくらべて3%向上させた(従来は91%)。
「たとえば4.28kWの太陽光発電システムなら、年間発電量を約148kWh増加させることができる。これは、ちょうどAQUOSの32インチ液晶テレビ1台の年間消費電力に相当する」(シャープ常務取締役ソーラーシステム事業本部長の富田孝司氏)。
これに伴い、高周波絶縁トランスを内蔵するなど安全性にも配慮。外観にも注力しており、117ミリ厚と薄型化したほか、住宅の外壁にマッチするよう「自動車と同じクオリティの外装(塗装)」とした。
また、初の通信機能を備えた点も特徴だ。同社が提供する「ソーラーモニタリングサービス」と組み合わせ、障害発生時のサポートのほか、運転状況や発電・消費電力状況などをユーザーがチェックできる。
通信にはモデムを使用する。パワーコンディショナの室内リモコンはRS-232Cのシリアルポートを備えており、対応モデム(市販品も可)と接続しておけば、毎月1回、自動的にダイヤルアップ通信を行う仕組みだ。情報はシャープが運営する専用サーバに蓄積され、発電システムの運転状況をグラフ化した分かりやすいレポートを作成し、ユーザー宅に郵送する。
また、万が一システムエラーが発生した場合でも、いち早く診断とメンテナンスが可能になるのもメリットだ。「これまでは、システム障害が起きてもユーザーがエラー表示に気づくまで分からなかった。しかし、今後はわれわれから情報を提供できる」(富田氏)。
新製品は8月1日発売予定。価格は、定格出力3kWの「JH-S6A2」(入力2回路)が32万3400円、同じく4.5kWの「JH-L6A3」(入力3回路)が40万5300円となっている。一方のソーラーモニタリングサービスは、電力量データやエラー対応の提供を9月から開始。2007年1月をメドに発電状況や節電に関するアドバイスなどをまとめた「定期診断レポート」のサービスを提供する予定だ。
通信サービスの利用料金は無料だが、モデム購入を含めて3万5000円程度の初期費用が発生する見込み。なお、従来のパワーコンディショナでも、カラー液晶タイプなら通信サービスを利用できるという。
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