録画形式はMPEG-4 SP(拡張子は.MOV)で、生成される映像の解像度はiPodの液晶解像度にマッチした320×240ピクセルのみ。解像度変更はできないが、iPod専用の周辺機器なので問題はないだろう。
画質はファイルサイズ最優先(512Kbps)/ファイルサイズ優先(768Kbps)/標準(1Mps)/画質優先(1.5Mbps)の4段階に切り替え可能(カッコ内はビットレート)だが、本体から切り替え操作は行えず、PCとiPodを接続した状態で添付ユーティリティから操作する。なお、1回あたりの最大録画時間は最長360分だが、これは画質モードによって変化する。これは1回に生成できる画像ファイルのサイズ上限が2Gバイトとなっているためだ。
録画モード | ビットレート | 1回あたりの最長録画時間 |
---|---|---|
ファイルサイズ最優先 | 512Kbps | 360分 |
ファイルサイズ優先 | 768Kbps | 280分 |
標準 | 1Mps | 230分 |
画質優先 | 1.5Mbps | 170分 |
実際に画質を4段階に切り替えながら録画し、映像を視聴してみた。最も低画質の「ファイルサイズ最優先」でも字幕の認識は問題なく、十分に映像を楽しめる画質であることが確認できた。ただ、「ファイルサイズ最優先」では解像感が今ひとつで、全体的に粗さを感じる画質であり、動きの激しい部分では瞬間的にではあるが、ブロックノイズも見受けられた。
画質をあげていくと解像感も増し、字幕のシャープさも解像感も増していく。「画質優先」ではiPodの液晶をのぞき込むようにしても、十分鑑賞に堪える画質だった。ただ、一般的な視聴スタイル(iPodと顔の距離は30〜40センチほど)ならば、「標準」と「画質優先」の差はあまり感じなかった。普段は「標準」ないし「ファイルサイズ優先」にしておくのがいいようだ。
録画モード | ファイル容量 |
---|---|
ファイルサイズ最優先 | 13Mバイト |
ファイルサイズ優先 | 18Mバイト |
標準 | 22Mバイト |
画質優先 | 34Mバイト |
※いずれも録画時間は30分
なお、録画したファイルの管理も付属ユーティリティから行う。ファイル名の設定や録画ファイルのPCへのバックアップも可能なほか、空き容量が足りない場合にファイルを自動的に削除する設定も用意されている。ちなみに、バックアップされたファイル(.MOVファイル)はQuickTimeで見ることができる。
本製品の魅力はなんといっても、「iPodへ直接録画できること」に尽きる。PCでエンコードする必要もないし、メディアレコーダーのように一度メモリーカードへ録画ファイルを移してやる必要もない。ビデオ端子を接続するだけで録画可能という分かりやすさはこれまでのiPod対応録画ソリューションの中でも抜きんでている。
ただ課題もある。ひとつは動作の状態把握がしにくいこと。LEDで把握できるとはいえ、録画できたかどうかは作業が終了しないと確認できず、点灯/点滅では直感的に判断できるとは言いにくい。小さくても構わないので、液晶ディスプレイで動作が確認できればと思う。また、HDDレコーダーに常時接続しておくという設置を考えるならば、オンタイマーも欲しいところだ。
もうひとつは価格だ。本製品の同社直販サイトでの価格は1万9800円。同じくiPod対応のメディアレコーダーである、ロックリッジサウンドの「VRX-02」は実売想定価格1万5000円前後、ハギワラシスコムの「いーレコ2」は実売想定価格1万円前後だ。メモリーカード/PCを介さずにiPodで録画した番組を楽しめるとはいえ、本製品とライバル製品の価格差をどう捉えるかは微妙なところだ。
とはいえ、iPodのHDDへ直接録画するというデバイスは他に類を見ないものであり、画質も十分に納得がいく。携帯動画プレーヤーとしてiPodを活用しているユーザーにとっては、選択肢のひとつとして検討に値する製品だといえるだろう。
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