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裸眼立体視の“たまごっち”日立uVALUEコンベンション2006

» 2006年07月26日 18時06分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 日立製作所のプライベートショー「日立uVALUEコンベンション2006」が7月26日に東京国際フォーラムで開幕した。企業ユーザー向けの商談の場という色彩の濃い展示会だが、今年は先月発表したバンダイナムコグループとの提携に関連した展示も見られた。

 まずは日立の電子ペーパー「Albirey」(アルビレイ)シリーズ。街頭や店頭、バスやタクシーなどスペースの限られる場所でポスターのように利用することを想定したもので、画面は縦長の13.1インチ。無線LANとバッテリーを内蔵しながら厚みはわずか8.7ミリ。紙のように“貼れる”のが特徴だ。

photophoto カラー電子ペーパー(左)と電子ペーパーを応用したバス停の表示

 販売中の製品は、白黒2値表示のみだが、今回はカラー版を参考出展していた。8色もしくは4096色表示の2種類があり、いずれも2007年発売予定だという。既存製品の価格は、販売中のモノクロ2値タイプ×10枚とサーバ、アプリケーション込みで400万円程度。

photo メタノール燃料電池でワンセグ放送を受信中。5ボルトで3mWh

 こちらはワンセグTV端末を燃料電池で駆動するデモ。メタノールから水素を取り出して発電する方式を採用。電気が発生する際に生じる水を蒸散させる必要から、折り畳み式筐体を採用した。発電量は3mWh。内部で昇圧して5ボルトの電源を供給する。現時点で発売スケジュールは決まっていないものの、汎用的なUSBインタフェースを備えているのは魅力だ。これならUSBカップフォーマーUSBスリッパだって動く。

ナムコと日立がタッグを組むと?

 日立製作所は、6月中旬にバンダイナムコグループとエンターテインメント分野で協力することを発表した。具体的なアクションとして、ナムコが池袋で運営しているテーマパーク「ナムコ・ナンジャタウン」で、日立が開発した光トポグラフィ技術を活用したミニアトラクションを既に開始している。

photophoto 裸眼立体視の「たまごっち」(左)とナムコナンジャタウンに新設されたアトラクション「前頭葉のほこら」の簡易版(右)。日立の「光トポグラフィ技術」を利用したもので、近赤外光を用いて大脳皮質の活性度を計測できる

 今回の展示では、新設されたアトラクション「前頭葉のほこら」の簡易版を展示。さらにバンダイナムコの「たまごっち」をテーマにした裸眼立体視ディスプレイも参考出展していた。裸眼立体視ディスプレイは、日立グループのIV(Integral Videography)方式を採用したもので、写真では分かりにくいが、ディスプレイ上に「たまごっち」のキャラクター「くちぱっち」や背景が浮き上がって見える。

 IV式は、液晶パネルの上に小さな半球形レンズを多数並べ(マイクロレンズアレイ)たレンズシートを貼り、見る角度によって異なるピクセルの光線情報が目に入る仕組み。右目と左目の視差に合わせて液晶表示を調整すれば、特別なメガネなどを必要としない立体視が可能になる。また、レンズ1つあたり約60ピクセル(=60方向の光線情報)を持つため、見る角度を微妙にズラすと画角も変わるのがユニークだ。

 「日立uVALUEコンベンション2006」は7月27日(木曜日)まで。会場時間は10時〜17時30分。場所は有楽町の東京国際フォーラムだ。

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