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ミニコンポの復権を目指してインタビュー(2/2 ページ)

» 2006年08月02日 10時57分 公開
[ITmedia]
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――これまでにもソニーの「NAS-D5HD」や松下電器産業の「SC-SX800」など、今回の新製品と同じ“ストレージ内蔵型”というカテゴリの製品は各社から登場しています。日本ビクターも「UX-HD1-M」というHDD内蔵オーディオシステムを既に商品化していますが、これらと新製品の違いはどこにあるのでしょうか。

星野氏: 最も大きな違いは、新製品が中学生や年配の方も含めたユーザーを対象とした、PCレスで使えるカジュアルな“1台目のコンポ”として企画されたことです。使い勝手に留意しましたし、実はメモリ容量にも意味があります。想定する利用層を対象に何曲収納できれば満足かを調査しましたが、結果として約250曲分(512Mバイト/64kbpsのMP3で計算)のストレージを搭載すれば十分と判断しました。

photophoto 新製品「UX-QM7-S」と同じく新製品のポータブルオーディオプレーヤー“alneo”「XA-F112」を接続(左)、新製品群にはポータブルオーディオプレーヤーからのワンボタンコピーを行う「USB」のボタンが設けられている(写真は「RD-M2-S」)(右)

 それに、1台目のコンポとして購入を検討してもらうためには、製品を低価格に抑えることも大切です。HDDを搭載すれば容量は増大しますが、512Mバイトのフラッシュメモリを搭載する方が、低価格な製品作りが可能です。

――まずはカジュアルユーザー向けということですが、コアな音楽ファンをターゲットにした、音質や機能面を強化した製品の投入もありえるのでしょうか。

星野氏: もちろんです。手頃な製品から展開していくことで、まずはデジタルオーディオに慣れ親しんだ世代を“オーディオ機器”へ回帰させることを目指しますが、その後には、HDDやサーバ機能の搭載した高機能機種を市場投入していくつもりです。

 HDDミニコンポという市場も2008年には75万台規模に成長すると予測していますので、フラッシュメモリ搭載製品のみならず、積極的に製品展開をしていきたいですね。

photo 同社の予定する製品展開

――デジタルオーディオプレーヤーとしては、ポータブルタイプの「Alneo」(アルネオ)を既に複数製品投入していますが、ポータブルプレーヤーとミニコンポとの関係は今後、どのようなものになりますか?

星野氏: ポータブルオーディオプレーヤーについては、ミニコンポ(オーディオシステム)との連携をこれからも深めていきたいですね。

 ポータブルオーディオといえばiPodのイメージが強いですが、私はiPodを「PCの役割を拡大したデバイス」だと思っています。私たちはオーディオ機器メーカーですから、ミニコンポやポータブルオーディオを「オーディオ機器の役割を広げるデバイス」にしていきたいと考えています。

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