シャープは8月8日、“ウォーターオーブン”「HEALSIO」(ヘルシオ)の新製品を発表した。新型の過熱水蒸気発生器により、水蒸気の温度や噴射量をアップ。脂を落とし、塩分を抑える効果が増したという。また、料理研究家の高城順子氏と共同開発した「健康セットメニュー」を搭載するなど、ハードとソフトの両面を強化している。
ラインアップは、従来からの20リットル、26リットルタイプにくわえ、庫内容量30リットルの「HEALSIO PRO」を追加。3機種5モデルとなった。価格はいずれもオープンプライスで、9月10日に発売する予定だ。
愛称 | HEALSIO PRO | HEALSIO | |
---|---|---|---|
型番 | AX-1000 | AX-HC3 | AX-HT3 |
容量 | 30リットル | 26リットル | 20リットル |
本体色 | ブラック系 | シルバー系、レッド系 | ホワイト系、ブラウン系 |
発売日 | 9月10日 | ||
価格(※1) | 15万円前後 | 10万円前後 | 8万円前後 |
ヘルシオは、過熱水蒸気を食品に直接噴射して調理を行う“ウォーターオーブン”だ。300度超に加熱された水蒸気が食材の表面に付着すると、水蒸気が水に戻る代わり、オーブンの約8倍という熱量をもつ“凝縮熱”を食品内部に伝える。食材の表面を焦がさず、脂や塩分が溶け出す仕組みだ。また熱に弱い野菜の細胞を壊さないため、野菜本来の味や栄養分を逃さないという効果もある。
新製品では、新開発の高集積スパイラルヒーターにより過熱水蒸気の発生量が毎分30cc(従来は28cc)にアップ。噴射温度は1割増しの330度(従来は300度)まで上がった。また、フィンの密度を増した大風量ファンの採用により、噴射時の風速が20メートル/秒(従来は17メートル/秒)に向上。食品に伝わる熱量や蒸気量が増え、脱油、減塩効果がアップしている。
さらに、庫内を水蒸気で満たし、酸素の少ない状態で加熱する「低酸素調理」は、従来の酸素濃度1%から0.5%へと進化した。酸素がない状態で調理すると、食品の油脂酸化が抑制され、胸焼けなどの原因になる酸化油脂を減らすことができる。同社の検証によると、過酸化物価(油脂の酸化量)は、従来の熱風オープンに比べて約9分の1という。
料理研究家の高城順子氏考案の新メニューは、上位モデルの「AX-1000」(22メニュー)と「AX-HC3」(9メニュー)に搭載されている。「低カロリーセットメニュー」と「低塩バランスセットメニュー」があり、たとえば低カロリーセットメニューは、いずれも「主菜と副菜を同時に調理できて、合わせて300キロカロリー程度のもの。ご飯と合わせて500キロカロリー程度になる」(高城氏)という。
一方の低塩バランスメニューは、高血圧の人などに向けたもので、塩分はメニューあたり1.2〜1.8グラムに抑えた。このほか、日常的に使える「自動メニュー」も増え、AX-1000では220種、AX-HC3では204種、AX-HT3には160種が登録されている。こちらは従来機と同様、辻学園の為後善光教授が監修を担当した。
シャープ、電化事業本部長の庵和孝氏によると、ヘルシオの購入者は、第1世代では中高年層が中心だったものの、徐々に若い世代へ広がり、第2世代ではブライダル需要に食い込むことができたという。ラインアップを拡大した第3世代では、さらに若い世代への浸透を狙うとともに、いわゆるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といわれる内臓脂肪の多い人や肥満を気にする層に焦点を合わせた。
「メタボリックシンドロームや肥満の多くは、食生活に起因している。栄養バランスに対する関心は高く、メニュー作りはイコール健康管理といえる。ヘルシオがそのお手伝いをするだろう」(庵氏)。
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