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今年上半期、一番売れたAV機器は?2006年上半期(1月〜6月)AV機器総合ランキング(1/2 ページ)

» 2006年08月11日 16時26分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 早いもので今年も8月。夏ボーナス商戦もほぼ終了したようで、家電量販店もこれまでの薄型テレビ一辺倒ではなく、エアコンをはじめとした季節商品や夏レジャー向け製品などのPRに力を入れているようだ。

 AV機器の商戦期という観点から言えば、次に来る大きな商戦期は冬ボーナス時期ということになるが、このタイミングで今年上半期にどんな製品が売れたのかを知っておくのもいいだろう。GfK Japanによる全国3500店舗の量販店POSデータによる、各AV製品の販売数量別ランキングを紹介する。

iPodが上位独占、フラッシュメモリ優勢が鮮明なポータブルオーディオ

順位  メーカー 製品名 発売日
1位  APPLE IPOD NANO 2GB 2005/9/8
2位  APPLE IPOD NANO 4GB 2005/9/8
3位  APPLE IPOD 30GB VIDEO 2005/10/1
4位  APPLE IPOD NANO 1GB 2006/2/7
5位  APPLE M9724J/A 2005/1/1
6位  ソニー NW-E405 2005/4/21
7位  松下電器産業 SV-SD350V 2005/11/19
8位  ソニー NW-A605 2005/11/19
9位  シャープ MP-S200 2005/11/26
10位  ソニー NW-A607 2005/11/19
この記事では、マーケティング会社GfK Japan調べによる全国3500店舗の量販店(家電量販店、カメラ販売店、PC専門店)のPOSデータを集計し、モデル別のランキングで紹介しています。

 ポータブルオーディオのランキングは予想通り。1位はジョブズ氏曰く「大胆なほどスリムなプレーヤー」であるiPod nano。iPodシリーズが高い支持を得ていることがはっきりした。現在販売されているシリーズ製品はiPod shuffleが2製品(512Mバイト/1Gバイト)、iPod nanoが3製品(1G/2G/4Gバイト)、iPodが3製品(30G/60Gバイト/30Gバイト U2 Special Edition)と合計8製品だが、そのうち5製品がランクインしている。

 iPod nano 1Gバイト(直販価格1万7800円)と価格帯がバッティングするiPod shuffle 1Gバイト(直販価格1万1900円)、1Gバイトあたり780円と価格容量比に優れるものの単価の高いiPod 60Gバイト(直販価格4万6800円)はそれほどの支持を得ることができなかったようだ。

 シェア奪還を狙う筆頭はやはりソニーのウォークマンシリーズ。フラッシュメモリタイプのNW-E405/NW-A605/NW-A607と3製品がランクインしているものの、ウォークマンにとっては目玉機能のハズであるインテリジェント機能をフル搭載したHDDタイプはランクインせず。ウォークマン勢で最高位に食い込んだNW-E405はインテリジェント機能を全く搭載しないタイプなのは、皮肉といえば皮肉だ。

photo iPod nano

 ウォークマンが伸び悩んだ理由については、Aシリーズの添付ソフト「Connect Player」の不具合も原因のひとつと想像できるが、ソニーが主力製品をHDDタイプとしたこともその理由に挙げられるだろう。

 iPodを見ても分かるよう、市場全体としては価格容量比に優れるHDDタイプよりも、小型軽量化さと低価格が特徴のフラッシュメモリタイプに人気が集まる傾向にある。下半期もこの傾向は変わらないと思われるだけに、アップル以外のメーカーがどのような製品で対抗してくるかは非常に興味深いところだ。

デジカメ3種の神器は「6メガ」「ブレ補正」「カード型」

順位 メーカー 製品名 発売日
1位 カシオ計算機 EX-Z600 2006/1/27
2位 松下電器産業 DMC-FX01 2006/3/10
3位 ソニー DSC-T9 2005/11/18
4位 松下電器産業 DMC-FX9 2005/8/26
5位 キヤノン IXY DIGITAL 60 2005/9/16
6位 富士写真フイルム FINEPIX Z2 2005/11/1
7位 カシオ計算機 EX-Z500 2005/8/12
8位 ソニー DSC-T5 2005/9/9
9位 キヤノン IXY DIGITAL 700 2005/9/1
10位 キヤノン IXY DIGITAL 800 IS 2006/4/14
この記事では、マーケティング会社GfK Japan調べによる全国3500店舗の量販店(家電量販店、カメラ販売店、PC専門店)のPOSデータを集計し、モデル別のランキングで紹介しています。

 上半期のトップセラーはカシオ計算機のEXILIM「EX-Z600」。広角/超望遠レンズや防水機能といった強烈な個性を持つ訳ではないが、600万画素CCD/光学3倍ズーム/2.7インチの背面液晶/約550枚の撮影可能枚数といった人気の要素をコンパクトなカード型ボディにまとめた、バランスの取れた製品になっているのが人気の秘密。

 とはいえ、EX-Z600が備えている各種の機能は、ランクインしている製品ならば大なり小なり備えている。ソニーの「DSC-T9」や松下電器産業の「DMC-FX9」などはEX-Z600の備えていない光学式手ブレ補正機能も搭載(EX-Z600は「アンチシェイクDSP」による電子処理でブレに対応する)するし、富士写真フイルムの「FinePix Z2」はISO 1600という類を見ない高感度撮影モードを備えている。しかし、価格も含めた総合的なバランスでEX-Z600に軍配が上がったといえる。

photo EX-Z600

 2位の松下電器産業「DMC-FX01」にも注目したい。「ブレないデジカメ」をキャッチフレーズに人気を博してきたLUMIXシリーズに、F2.8/28ミリ広角レンズという新提案をひっさげて加わった機種だ。3月発売と集計上はやや不利なタイミングで市場に登場したが、高い人気を得たようだ。

 DMC-FX01には、CCDに7メガにグレードアップした後継機種「DMC-FX07」が既に発表されており、8月下旬には販売も開始される。もちろん28ミリからの広角レンズをはじめとした前モデルの特徴はすべて継承される。「広角レンズ」を新たなトレンドとして定着させることはできるのだろうか?

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