それにしても、エントリー向け低価格コンパクトデジカメの性能もいつの間にか上がって魅力的になったものである。
2006年3月に登場した「サイバーショット DSC-W30」(以下、W30)は液晶モニターが2.0インチでちょっと小さく、安くていいけれどもモニター小さいよねっで済んでたが、それからたった半年で登場する「サイバーショット DSC-W50」(以下、W50)は液晶モニターが2.5インチにアップ。エントリー向け低価格モデルには見えないレベルに達した。
従来、エントリー向けモデルといえばボディが樹脂製だったりややずんぐりしててかさばったりモニターが小さかったりバッテリーが単三形だったりして、ひとめでスタイリッシュ系モデルとの違いがわかったものだが、W50はCCDは1/2.5インチの600万画素、ボディはアルミでそこそこしっかりした質感、厚みは22.ミリと結構薄く、液晶モニターは11.3万画素ながら2.5インチに進化。バッテリーはリチウムイオン充電池でCIPA規格準拠で約390枚と持ちもいい。さらにオプションでワイコンやテレコンもつく。
コストパフォーマンスという面では抜群のモデルになったのだ。
では詳細を見ていこう。
薄型ボディから沈胴してくるレンズは38〜114ミリ相当の3倍ズーム。明るさはF2.8〜5.2と極めて標準的で、カール・ツアイスのバリオ・テッサーのロゴが入っている。CCDは600万画素。
サイバーショット T系の700万画素に比べるとちょっと少ないが実用上の差異はほとんどあるまい。
撮影最短距離は約2センチとマクロにも強い。
ISO感度は80〜1000。この辺は他のサイバーショットと同等で、通常のISOオートでは最高ISO320まで、高感度モードにするとISO1000まで上がる。ISO400を越えるとホワイトバランスが不安定になる傾向が見られ、ISO800以上ではノイズを目立たなくするためかやや彩度が落ちてノイズが乗ってくる。とはいえ、このクラスのCCDではある程度やむを得ないかと思う。
高感度モードにすると少し感度の上がり方が速くなるが、無闇に上がるわけじゃないので、ブレ補正を重視するなら高感度モードを常用しても面白いだろう。
測光モードはマルチ、中央重点、スポットの3種類。ホワイトバランスはオートのほかプリセットが5つ用意されているが、カスタム設定機能はない。
画質もソニーらしい彩度は高めだけどこってりしすぎない爽やかなもの。相変わらず室内でのオートホワイトバランスの追従性には不安定なところはあるが、全体としては気持ちいい発色でノイズもあまりなく安心して使える。
なおカラーモードとして標準、あざやか、ナチュラル、セピア、モノトーンの5つが用意されている。もともとがあまり濃くない絵作りなので、派手目の発色が好きな人は「あざやか」を多用するといいだろう。メニューの一番最初がカラーモードなのですぐに変更できるし、極端に鮮やかになることもないので結構使える。
起動も約1.3秒と速いし、AFも撮影間隔も気持ちよく動作する。この辺もほかのサイバーショットと同じ感覚だ。
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