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コラム2006年08月21日 09時53分 更新
小寺信良:家電によるリモートモニタリングの未来 (3/3)どこから手を付けるべきかそこで浮上するのが、モニタリングするのは誰か、という問題である。現在も各家電メーカーは、ホームネットワークで何ができるか、そこにどんな未来があるかを研究し続けている。 以前伺った話では、その気になればビデオカメラなどを設置しなくても、エアコンの温度センサーや、電灯の使用状況、あるいは電気ポットのお湯の使用量など日常のステータスデータを蓄積することによって、生活パターンを割り出すことができるそうである。そのパターンから逸脱したデータがあれば、いつもより人数多いなとか、今日は会社休んでゲームしてるなとか、どの部屋からどこへ移動したかという状況まで把握できるのだという。 ただそれをやるべきか、あるいはやってどうする、というところからは、別の議論になる。人間の状態を監視をするというのであれば、それは防犯の役割を担うということもあるだろうし、あるいは老人介護などの医療面で活用するということも考えられる。だが一般家庭に暮らしていて、知らない間に自分たちの状況が筒抜けになるというのは、逆に防犯上の問題になりうる話である。 製品や周辺機器、部品のシリアルナンバー程度であれば、すでにWindowsをはじめとするPC用ソフトウェアの世界ではオンラインアクティベーションが一般的になりつつあることから、あまり問題はないかもしれない。しかしさらに製品の動作状況もOKかという点は、もう少し慎重に考えるべきだ。 一般家電もリモートでメンテナンスなどしてくれたら、電気に弱い女性や老人などの一人暮らしでは助かるというケースも確かに存在するだろうし、そこに潜在的な市場があるのも事実だ。 しかし製品のステータスデータをそのまま外部に送信するのは、マズいように思う。それよりも放送機器でやっているように、何か異常があったときは使用者にメールを発信し、ステータスデータをメーカーに送るかどうかは使用者自身が決断するというような、ワンクッション入れた利用環境が望ましいだろう。 自分の生活をダイレクトに覗かれるのは誰でもイヤに決まっているが、留守の間に火事にならないか、あるいは侵入者がいないかどうかを家電のステータスデータで知る術があれば、安心できる。家電の番犬というわけである。 家電のIT化によってケータイで風呂が沸いたり、米がなくなると自動で米屋に発注かけるような発想は、飛躍し過ぎてついて行けない。リモートで操作できることよりも、製品のステータスが問題ないかを消費者が把握できること、まずはそこから始めて、次にどんなものが欲しいかを考えていくのが、正しい家電のIT化ではないかという気がする。 小寺信良氏は映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。 関連記事
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