次世代光ディスク、とくにパッケージコンテンツの再生が可能な製品という意味では、実際の製品発売で先行する東芝の動きが目立っているが、今月中には国内でもBDソフト発売に関するいくつかの発表が行われそうだ。
実際にBDベースのパッケージコンテンツを再生できる製品は、未だパソコンしかない状況だが、国内でのタイトル発売予定が決まってくれば、年末商戦に向けた話題も豊富になってくるだろう。消費者がBlu-ray Discを選ぶのか、それともHD DVDを選ぶのかは、年末のレコーダー商戦である程度の見通しが見えてくると思われる。
一方、パッケージとして発売されるコンテンツの内容は、映像コーデックが同等であるだけに、両者ともエンコードの質が画質という結果を生むことになる。北米で発売されているタイトルを見ると、HD DVDはVC-1を、Blu-ray DiscはMPEG-2を主に用いているが、9月下旬あるいは10月ごろはH.264 High-Profileを用いたコンテンツも登場しそうだ。
両規格の画質は最終的には似たようなものになる可能性が高いが、年末ぐらいのタイミングではエンコードを担当するポストプロダクションスタジオの質が、タイトルの質を大きく左右するだろう。
画質に関しては両規格の支持母体が、切磋琢磨することで良いタイトルが提供されていくだろうと予想している。しかし、まだ国内での販売がスタートしていない今の時期に、BDタイトルを製作・発売するコンテンツベンダーにお願いをしておきたいことがある。
このコラムは、BDタイトル製作者とBDAへの公開メールだ。
画質に関しては関心の深い読者も多いだろうが、BDやHD DVDのオーディオ規格について、皆さんはどこまでご存知だろう。
両規格とも
に対応するという点は同じだ。
しかし全プレーヤーで対応が義務づけられている範囲は異なる。BDプレーヤーはDDとDTSコア、リニアPCMのみが必須で、残りはオプション対応。HD DVDはこれにDD+とTrueHDの2チャンネルが必須要件にくわわる。
つまりHD DVDの方が若干、オーディオ仕様としては上ということになる。もっとも、現時点ではリニアPCMで音声が収録されたBDタイトルも多く、必ずしもHD DVDタイトルの方が音質が良いというわけではない。
収録時間に余裕のあるソフトでは、高品質のオーディオトラックが複数入っている場合もある。このあたりの事情は、もっとギリギリの容量だったDVDよりも状況はいい。しかしBDのオーディオ仕様には、実は不可解な点がある。それはDD+の実装方法だ。
DD+は、DDで利用可能な圧縮要素を進化させており、DD+でコード化された結果はデコードすることなく直接DDへと変換できる。この際、7.1チャンネル音声でも5.1チャンネルへと自然に割り振る仕組みもあり、実にカシコイ実装になっている。ダイアログノーマライゼーションといったDD特有の機能も備えており、セリフはDTSやリニアPCMよりも聞き取りやすくなるはずだ。
ところが、BDタイトル上でDD+を活用する機会は“ほとんど”ない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR