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「スパイダー」「裸のランチ」の鬼才デイヴィッド・クローネンバーグが同名グラフィック・ノベルを映画化。アカデミー賞で脚色賞、助演男優賞(ウィリアム・ハート)にノミネートされた他、各映画祭で絶賛されたバイオレンス・ドラマの傑作だ。
アメリカ、インディアナ州ミルブルックの小さな田舎町で、トムと弁護士の妻エディは、2人の子供たちと平穏な生活を送っていた。
ある日、トムの経営するダイナーに二人組の強盗が押し入ってくる。銃を突きつけられるトム。そのとき、トムの中で何かが変わった。一瞬の隙をついて銃を奪い取り、強盗を射殺。正当防衛で店の客や友人の命を救ったトムは、一夜にしてヒーローとなり、メディアの注目を浴びることに。トム見たさにダイナーは連日客で溢れ、妻は彼のとった行動を誇りに思っていた。
数日後、ダイナーに不審な男が現れた。フォガティと名乗る男はトムをジョーイと呼び、その日から家族を執拗に追い回す。そして不敵な笑みを浮かべ、「あんたの夫はなぜ、あんなに人殺しがうまいのか」とエディに言い放つ。不安を募らせるエディ。優しいはずの夫は一体何者なのか?彼の暴力まみれの過去がゆっくり明かされるにつれ、家族の絆も崩壊していく。一方、トムは自分の過去を清算すべく、かつて暮していたフィラデルフィアへ向かうが……。
ごく一般家庭に突然訪れた暴力の嵐。夫は過去から逃れたつもりでも、結局は自分で過去に落とし前をつけなければならない。そんな宿命を背負った男を「ロード・オブ・ザ・リング」シーズのヴィゴ・モーテンセンが演じ、脱・アラゴルンに成功している。
「シークレット ウィンドウ」のマリア・ベロ、「アポロ13」のエド・ハリス、「ヴィレッジ」のウィリアム・ハートら共演者もそろって好演。
クローネンバーグ流のバイオレンス・シーンはグロテスク。その濃密な映像が緊張感たっぷりの心理サスペンスへと導き、人間に潜む暴力性を訴えかける。暴力がもたらす結末はやはり悲惨なものなのか?血塗られた過去と対峙する彼らの行く末を、見守らずにはいられない。
映像特典のメイキング「バイオレンスの系譜」では、キャスト・スタッフのインタビューを含め、オフショットも収録。他にも監督のコメンタリー付き未公開シーン集「幻のシーン44withクローネンバーグ」や、あまりに過激な暴力シーンゆえに変更を余儀なくされた米国公開版とインターナショナル公開版を比較し、監督が解説する「バイオレンスの系譜」など、100分以上のボリューム。
関連サイト:http://www.hov.jp/(公式サイト)
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