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電解水でウイルスを99%抑制する空気清浄機、三洋から

» 2006年08月28日 17時10分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 三洋電機は8月28日、電解水技術により除菌やウイルスの不活化を可能にする「virus washer」搭載の住設機器や家庭用機器5機種6モデルを発表した。今年2月に発売した業務用空間清浄システムの技術を家庭用の空気清浄機や加湿機に応用。「赤ちゃんが眠るベッドサイドから老健施設まで使えるラインアップを揃えた」(野中ともよ会長)。

photophoto 野中ともよ会長と新製品ラインアップ。右は天井カセット室内機組み込み形の「VW-SN07A」(試作機のスケルトンモデル)
型番 ABC-VW24 CFK-VW50G CFK-VW70G RSF-VW500
概要 家庭用空気清浄機 家庭用加湿器 家庭用加湿セラミックファンヒーター
適用面積 〜40平米 〜20平米 〜20平米
発売日 9月1日
価格(※1) 5万円前後 2万5000円後 3万円後 3万円前後
※1:価格はオープンプライス
型番 VW-VF10B VW-SN07A
概要 業務用空間清浄システム 天井カセット室内機組み込み形
適用面積 20〜100平米 〜100平米
発売日 10月31日 11月30日受注開始
価格 39万6900円 16万8000円

 三洋電機の電解水除菌システムは、水道水を電気分解することで2種類の活性酸素(OHラジカルおよび電解次亜塩素酸)を生成、利用する。たとえばウイルスの場合、表面タンパクのスパイクを変性/分解し、人体細胞のレセプターに取り付く能力をなくす。また電解水は単独での安定性が高く、2種類の活性酸素を保った状態で雑菌やウイルスに接触するのも特徴だという。「水道水に含まれる塩素を利用して電解次亜塩素酸を生成できる。OHラジカルと合わせて活性酸素が2つあるため、(他社の)放電系イオンより活性酸素の密度が高く、ダブルの除菌&ウイルス抑制効果が期待できる」(同社)。

photophoto 電解水除菌システムの仕組み(左)と効果の検証例

 第三者機関による検証結果によると、浮遊菌、浮遊カビ菌を99%以上除菌/低減したほか、浮遊ウイルスは約99.5%、杉花粉やダニといったアレルゲンも約99%抑制するという。また、タバコやペットのニオイにも有効で、virus washer機能搭載の空気清浄機は、一般的な空気清浄機と比較してタバコ臭で約4.6倍、ペット臭は約3倍のスペードでニオイを低減するとしている。

 2月に登場した空間清浄システム「VW-VF8A」は、ハニカム構造のエレメントに電解水を浸透させ、ここに空気を通過させることで空気中に含まれるウイルスなどを除去する仕組みだった。しかしこの方式では筐体が大きくなり、家庭用の加湿器や空気清浄機には適用できない。そこで今回は、電極と超音波振動子を使用して電解ミストを生成する技術を新開発。「除菌エレメントに比べると能力は10分の1だが、家庭用機器では十分な能力を発揮する」(同社)。なお、適用面積は20平方メートル未満となる。

photophoto 電解ミスト技術の仕組み(左)と実機(右)

 三洋電機は、virus washer機能を搭載した製品を「VWシリーズ」としてラインアップ化し、VとWを組み合わせた専用ロゴマークを用意して訴求する構え。また今秋に予定している海外展開を含め、VWシリーズを3年後に100億円規模の事業に育てる方針だ。

 「鳥インフルエンザウイルスや花粉症などにより、空気中の汚れに対する生活者の意識が高まっている。VWシリーズを大空間用途から家庭用まで揃えることで、あらゆる生活シーンに快適な空気を提供できる」(野中氏)。

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