FHP、低コストでフルHD対応可能な50V型プラズマディスプレイ

[渡邊宏，ITmedia]

　富士通日立プラズマディスプレイ（FHP）は8月29日、ALIS方式を採用した高精細プラズマディスプレイパネル3製品を開発、10月より量産開始すると発表した。

　発表されたのは、60V型／50V型のフルHDパネル（いずれも画素数は水平1920×垂直1080）と50V型HDパネル（1280×1080）。いずれもパネルモジュールとしての製品化で、テレビ／ディスプレイとしての製品化は未定。60V型のフルHDパネルは11月、50V型フルHDパネルは2007年3月、50V型のHDパネルは10月より量産を開始する。

60V型フルHDパネル

50V型HDパネル（左）と50V型フルHDパネル（右）

　60V型のフルHDパネルには、背面版に格子状リブ構造を採用したe-ALIS方式を採用（前面版はALIS方式の共通電極構造）。あわせて高速駆動技術を導入することによって、フルHDパネルながらも1000カンデラ／平方メートルを達成している。表示サイズは1366.3（幅）×751.7（高さ）ミリ、コントラスト比は5000：1。

　50V型のフルHD／HDパネルにはシングルスキャン駆動を採用し、部品点数の削減などコストダウンを実現した。シングルスキャンパネルでのフルHD表示は世界初だという。輝度はフルHDパネルが1100カンデラ／平方メートル、HDパネルが1300カンデラ／平方メートル。表示サイズは1105.9（幅）×626.4（高さ）ミリ。

シングルスキャン方式についての説明（左）、シングルスキャン方式とすることで部品点数を削減できる（右）

　価格については明らかにされていないが、プラズマテレビとして商品化された際には、60V型フルHDで100万円を切る程度、50V型フルHDで60万円程度、50V型HDで50万円程度になると予想される。

　これら新製品により、同社はプラズマディスプレイのラインアップとして、フルHD解像度で60V／50V／42V（2007年6月量産開始予定）、HD解像度では55V／50V／42V／37Vを用意することになる。

　大型化という面では既に100V型オーバーの製品を発売している松下電器産業らの先行を許すかたちにはなるが、同社では「ハイビジョン放送の1080iをダイレクトに表示できるALIS方式のメリットを強調し、テレビ用プラズマディスプレイという方向性を確立したい」と説明している。