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「静かなリスニング環境」を求めて――ボーズ「QuietComfort 3」レビュー(1/3 ページ)

» 2006年09月05日 14時21分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 ボーズが10月より販売を開始するノイズキャンセリングヘッドフォン「QuietComfort 3」(以下QC3)は、既存のノイズキャンセリングヘッドフォン「QuietComfort 2」(QC2)と「同等の能力」(同社)を持ちながらも小型化を進めたモデルだ。

photo QuietComfort 3。既存モデル「QuietComfort 2」の販売も継続されるので、ユーザーは好みに応じてセレクトできる

 QuietComfort 2は直営店および直販サイトのみでの販売ながら、強力なノイズキャンセル能力と高音質で高い人気を誇る製品。しかし、街中で気軽に利用できるとはいいがたいサイズであり、マニア向けの域を出ていない。その点、小型化が進められたQC3は一般ユーザーにも歓迎されるはずだ。今回は両製品の比較を中心に取りあげてみた。

小さく・軽くなった、新QuietComfort

 まずは最大の相違点である外観からチェックしてみよう。QC2は耳全体を覆う密閉型だが、新製品はオンイヤー型に変更されており、ハウジングそのものがかなり小型化されている。実際に両製品を並べてみると、QC3がかなりコンパクトにまとめられていることに驚く。

photophoto 左がQC3、右がQC2

 シルバーの表面は梨地仕上げとメッキ仕上げの組み合わせで、これはQC2から変わらない。ただ、QC2ではメッキ仕上げがワンポイント的に使われていたのに対し、QC3ではデザインとしてもう少し強く存在を主張するように変更されている。デザインに優劣はなく、どちらを好むかはユーザー次第だが、個人的には引き締まって見えるQC3のデザインの方が好ましく感じる。

 変更されているのはハウジングだけではない。密閉型→オンイヤー型の形状変更に伴い、イヤーカップ/パッドも大幅に変更されている。本製品のようにノイズキャンセリングという機能を付加する場合、ノイズを削除/低減する仕組みの能力を上げることはもちろん、いかに外部からノイズを侵入させないかという点も重要なポイントになる。

 外部ノイズを侵入させない仕組みとして耳全体を覆う密閉型構造は非常に有効だが、他の形式に比べるとどうしても本体のサイズは大きくなってしまう(耳全体を覆うのだから、ある程度は仕方ないが)。QC3に採用されているオンイヤー型は耳へ“のせる”タイプで、密閉型ほどサイズは大きくならずに済むが、外部からの音の侵入はそれほど遮断できない。

 QC3ではイヤーパッドに一般的なスポンジではなく、形状記憶特性を持つ素材を使用。利用者の耳へより密着することで、音の侵入を遮断している。パッドの厚み自体はQC2とQC3でほとんどと変わらないが、そのさわり心地は明らかに異なる。QC2のパッドも柔らかいのだが、QC3のそれは柔らかいのはもちろん、低反発枕のような“しっとり”とした感触だ。

photophoto イヤーパッド/カップの形状はかなり異なる(左)、QC3のイヤーパッドはやわらかくて“しっとり”(右)

 右ハウジングに電池/バッテリーと電源スイッチ、左ハウジングに入力端子というレイアウトも変更されていない。ただ、小型化のため電子回路そのものが見直されたほか、電源もQC2の単四形乾電池から専用の小型バッテリーに変更された。本体重量も170グラムから150グラムに軽量化されている。

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