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DIGAヘヴィユーザーの憂鬱小寺信良(2/4 ページ)

» 2006年09月11日 05時35分 公開
[小寺信良,ITmedia]

 「200HはHDDのエラーが出っぱなしになって、番組が全部LOSTです。買って2年目ぐらいの時に壊れて、一度HDDを交換しました。多分修理代は2万円かからなかったと思います。ですが7カ月後にまたHDDがダメになったんで、今年7月にEH55にリプレースしました」

 DVD/HDDレコーダの製品寿命は、今のところ具体的なデータは出ていない。だがHDDの寿命に関しては、1年以内の保証期間内であっても、消耗品として有償修理になるメーカーも多い。VHSデッキなどは相当使っても5年程度は持つものだが、DVD/HDDレコーダは酷使すると1〜2年程度でダメになるという実態が浮かび上がる。

AVマニア層にはない使い方

 津田さんの奥様の場合、特徴的なのが圧倒的な稼働率である。ちなみにE500Hがスカパー!専用機、EH55が地上波アナログ、EH73VがVHSからのダビング機という位置付けだという。

 「E500Hをスカパー!専用機にしたのは、タイトルがパソコンから入力できるから。なんでこんなにタイトル入れが必要かというと、スカパーを1日12時間取っておいて、好きなPVだけ2個から5個ぐらい取りだしたら、あとは部分消去で全部消してしまいます。PVの場合は自分で名前入れておかないとわけわかんなくなるので、こまめに入れるんです」

 特定のチャンネルを無制限に録画して、その中の一部だけを取り出すという地引き網のような方法は、HDD時代になって初めて登場した方法である。米国のレコーダー、Tivoは、常時HDD満杯になるまで録画し続けるというアルゴリズムで動作しているが、それをチャンネル固定で行っているというわけである。

 「EH55は地上波録画用なんですが、一週間の予約件数が32個までという制限があるんです。これじゃ全然足りないですね。しょうがないので、同じ局の番組が続くときは予約を1つにまとめたりしています」

 稼働中の機器の中でもVHSデッキ搭載のEH73Vの稼働率は、ほぼ24時間に登る。

 「73Vは、VHSテープがそろそろカビが生えたり延びたりする頃なので、80年代に録画したものをデータ化したいと思って買いました。また妹からも、アメリカに持っていったVHSにノイズが入るようになったという話もあって。それでうちに送ったらデータ化してあげるよと言ったら、3倍モードで9時間録画したテープが400本ぐらい来た(笑)」

 血は争えないというか、姉妹揃って大変な映像貯蓄量である。ちなみに津田さんの場合、メディアへの保存はすべてDVD-RAMで、メディア保有枚数は約500枚。すべて不織布のケースに入れて、ジャンルと日付、タイトルなどすべて手書きでリストを作って、同梱している。

保存メディアはDVD-RAMが500枚にも及ぶ

 一般的な考え方では、保存メディアとしてはランニングコストの面からも、DVD-Rを使用するのが妥当であろう。だがDVD-RAMで保存するメリットもあるという。

 「一度保存したものでも、PVなんかはまた違ったまとめ方をしたいなというときに、DVD-Rは困るわけです。最近の機器はそうでもないんですけど、昔のモデルはDVD-RからHDDのダビングができませんでしたし。もちろんメディアがリサイクルできるという利点もあります」

 「メディアは国内生産じゃないとうまく動作しないことがあるので、太陽誘電とかマクセルとか、国内ものじゃないとイヤです。以前は本当にコストパフォーマンスが悪かったんですけど、最近は主人がネット通販で1枚150円ぐらいのをまとめ買いしてくれますので、それほど悪くはないです」

 国産メディアメーカーの人が聞いたら泣いて喜びそうな話である。ある意味PC/アキバ系ユーザーとは対極に位置する使い方だと言えるだろう。しかしそれだけの量を録画して、視聴時間が追いつくのだろうか。

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