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DIGAヘヴィユーザーの憂鬱小寺信良(3/4 ページ)

» 2006年09月11日 05時35分 公開
[小寺信良,ITmedia]

 「ある日DIGAで1.3倍速で見られるという機能に気がついてからは、もうダルくてD-Snapで見るのは辞めました。歌番組以外は、基本は1.3倍ですね。EH55で一番うれしかったのは、30秒スキップとか編集点までスキップとかしたときに、1.3倍そのままというのがうれしかった。それまでは、普通の速度に戻っちゃってたんですよ」

 ある日その機能に気づくというところが、一般ユーザーのマニュアル離れの現状を象徴していると言える。現在はオンラインマニュアルの機能を積む機種も増えているが、それすらも読まれない可能性が高い。

 それよりも、既存のボタンや動作の組み合わせから連想して、これとこれをこうすればこう動くのではないか、という予測可能な操作性を実現したほうが、ユーザーには評価が高いはずである。

 一度だけ、ご主人の津田氏の勧めで東芝RD-X5を購入したことがあるという。

 「もう泣きそうになりました。まずマニュアルが分厚くて、ケータイのマニュアルかと。分厚いしわかり辛いし操作自体もよくわかんないし。もうこれは『宗教が違う』と思った」

 ほどなくしてRD-X5は、Mixi経由で友人に売却されるという浮目にあっている。津田氏はこの件で相当奥様に叱責されたようで、今では多くを語らない。

「E200H最強」論

 過去6年間、毎年Panasonicのレコーダーを買い続けたユーザーとして、その変遷をどう見ているのだろうか。

 「個人的にはE200Hが一番使いやすくて、過去ベストです。部分消去や番組分割にかかる時間がもう少し短くなると最高だなと思ってたぐらいですね。特にプレイリストに関しては、欲しいところだけを選んでその場でストックして行けた。でもそれ以降のやつはまずチャプターを先に打って、そのあとで必要なチャプターを選択して行かなくちゃいけないという二段構えなのが面倒」

 確かに他社のマシンでも、DVDオーサリング時に必要なチャプターと編集用のチャプターを兼用するため、まずチャプターを打つという作業を先にやらせるものが多い。DVDビデオに対してマメにチャプターを打つ人には有用だろうが、カット編をバリバリやりたい人にとっては、わずらわしいだろう。このあたりは、現時点での最善の選択としてDVD-RAMを採用した東芝と、DVD-RAM普及の総本山である松下とは、コンセプトが明快に分かれていた過去があった。

 「歴代ジョグダイヤル付きのリモコンがたくさんありましたけど、EH55からやっとジョグダイヤルを使うようになりました。それまでもトライはしてみたんですけど、なくてもいいやと思いましたね。これまでいちいち一時停止にしないとジョグにならなかったんですが、EH55からはすぐにジョグになる」

 ビデオ編集機では、再生でも停止でも現在の状態にかかわらず、ジョグダイヤルを触ればすぐにジョグ・シャトル動作に移行する。編集マンの立場からすれば当たり前の機能だが、コンシューマーでもこの操作感が必要ということであろう。

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