薄型テレビを構成する要素は、当然ながら、事細かに挙げていけばきりがない。しかし、購入時の判断を行う際に注目される点を踏まえて、おおまかに捉えてみると、「映像処理回路」「パネル」「チューナー」ということになるだろうか。デジタル放送にせよ、アナログ放送にせよ、チューナーで受信された映像にさまざまな処理が施されたうえで、パネルドライバを介して画面へと出力されている。
アナログ放送+ブラウン管の時代には、ソースの品質を決定するチューナー性能もかなり重要だったが、現在の主流であるデジタル放送+固定画素の組み合わせでは、そこまで意識する必要はないだろう。最終画質において、最も重要なのはパネルの品質といいたいところだが、一方で、それを生かすも殺すも事前の映像処理(および、パネルドライバー)しだいである。
製品(あるいはメーカー)比較時には、ソニーのDRC(デジタル・リアリティ・クリエーション)をベースとした「ブラビアエンジン/プロ」や、東芝の「メタブレイン・プロ」、松下電器産業の「PEAKS」など、各社で工夫を凝らしている映像処理技術には注目すべきだ。ただ同時に、一般消費者にとっては、この映像処理の部分が最もわかりにくく、さらに「IP変換」「○○ビット精度」「○○ノイズリダクション」などと、理解しがたい用語も並んでいる。しかも、キャッチだけを見ていると、「SDも含め、すべてHDへアップコンバートしたうえでフルデジタル処理」「HDはさらに高画質化に」「鮮やかな色再現を」などと、基本的には同じような表現ばかりに思えてしまう。
ただ、ここで過度に悩んだり、無理をして学ぶ必要はないと思う。それこそ、「わかりにくくて買えない・買わない」という状態に陥ってしまうだろう。それに用語や技術を理解したうえで、カタログを見たり、店員に説明を受けたとしても、あくまでも内部的な処理の話であり、やはり最終的には、実際に出力された映像を見て、自分の目で判断するしかないのだ。
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