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手軽さが信条、FMトランスミッターも内蔵――シャープ「MP-S700」レビュー(1/2 ページ)

» 2006年09月29日 09時27分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ポータブルプレーヤーの雄、アップルのiPod。それを追うソニー、東芝、クリエイティブメディアらの各製品。これらの陰に隠れている感じのするシャープ製品だが、地味(失礼!)ながらも、なかなか使い勝手のいい製品がいくつもリリースされている。今回は8月下旬に販売開始された最新モデル「MP-S700」を取りあげる。

photo シャープの携帯音楽プレーヤーMP-S700。外装はプラスチックで質感は普通だが、なかなか高級感のあるデザイン

“スライドするボタン”で簡単操作

 MP-S700のボディはちょっと独特のデザインで、目立つ大型の円形の操作ボタンが特徴的だ。ボタンの見た目はiPodのクリックホイールに似ていなくもないが、静電式ではなく、中央の再生/一時停止ボタンそのものが上下左右にスライドする機構が採用されている。

photo ボタンは適度な大きさと滑るようなスライド感で、操作感は良好

 親指を滑らせることで得られるような素早さは期待できないが、ボタン自体は滑らかに上下左右へ動くので操作性に不安はない。再生ボタンを押し込むことで再生やOK動作になる。正面のモニターは128×32ピクセルの有機ELで、音楽再生時は曲数と曲名、演奏時間が表示される。

 本体サイズは約33(幅)×83.7(奥行き)×18.9(厚さ)ミリ、約43グラム。WMAとMP3の再生に対応する。フラッシュメモリの容量は512Mバイトで、1Gバイトの「MP-S800」も用意されている。電源は単四形乾電池1本で、アルカリ電池利用時(FMトランスミッターオフ、MP3再生時)には約14.5時間の連続再生が可能だ。

photo 本体サイズ自体は小さいが、ボタンは大きく操作しやすい
photo 本体側面。左からメニューボタン、停止ボタン、ABボタン、録音ボタンが並ぶ。メニューボタンは長押しで電源オン、停止ボタンは長押しで電源オフ

 音楽の再生は、電源投入後のモード選択画面から「音楽」を選び、以前に聴いていた曲があれば「リジューム再生」を、それがなければ「曲リスト」から楽曲を選んで再生ボタンを押すだけだ。音楽再生以外の機能が盛りだくさんというワケでもないので、迷いなく直感的な操作ができるだろう。

photo モード選択画面。まずはこの画面が立ち上がる

 楽曲の検索機能は用意されておらず、曲を探す場合は曲リストから探すことになる。アルバムごとに分類されている場合は、再生ボタンを右にスライドさせることで階層を下り、上の階層に戻るときは再生ボタンを左にスライドさせる。また、上下にスライドさせれば曲リストをスクロールさせることが可能で、スライドし続ければより高速にスクロールする。

photo 楽曲のリスト表示。画面自体の表示エリアが狭く、一度に表示できる曲数が少ない

 大きな円形ボタンが目を引くが、操作には奇抜なアイデアが盛り込まれているわけでもなく、シンプルな使い勝手といえる。本製品のメモリ容量は512Mバイトなので、このぐらいの“シンプルさ”が良好な操作性につながっているといえる。

 曲を選んで「お気に入りリスト」に登録することで好きな曲を簡単に呼び出せる。リストへの登録は、曲を選択した状態で側面のメニューボタンを押して「お気に入りに追加」を選択する。アルバムなどのフォルダを選んでお気に入りに追加すると、そこに含まれる楽曲が一気に登録される。登録できる曲は100曲までだ。

 メニューボタンからはイコライザーの設定も可能。ノーマル/ロック/クラシック/ポップ/バス/ソフトの6種類から選択できる。また、シャッフル再生、楽曲の削除、1曲/全曲のリピート再生の設定といった操作も可能だ。

 その他の機能としては、曲の指定位置を繰り返す「AB区間繰り返し再生機能」も搭載する。再生中に側面のABボタンを押すと画面に「A」、もう一度押すと「B」と表示され、その区間を繰り返す、という機能だ。

photo 区間リピートの設定は、ABボタンを設定したのちに再生しながらボタンを押すだけ

 このあたりは楽曲再生というよりも、インタビューや会議のテープ起こし、語学教材の再生などに使うと便利な機能。このABボタンは、設定で再生速度切り替えに割り当てを変えることができ、ABボタンを押すたびに再生速度が90%、110%、100%と変化する。これもテープ起こしや語学学習に使える機能だ。

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