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次世代のパネルが勢揃い、FPD International開幕FPD International 2006

» 2006年10月19日 01時02分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
photo 「FPD International 2006」会場

 フラットパネルディスプレイの総合展示会「FPD International 2006」がパシフィコ横浜で開幕した。「CEATEC JAPAN 2006」の直後だけに、国内の大手セットメーカーに関しては展示品が重なる部分が多いが、やはり注目は次世代の高画質テレビ。CEATECでSEDやメガコントラスト液晶を見逃した人も要チェックだ。

 展示棟2階にあるアネックスホールでは、キヤノン、東芝、SEDによる55型SEDの視聴ブースとシャープの“亀山ブース”が人気を分けている。亀山ブースでは、37V/65V型のメガコントラスト液晶や、デジタルシネマ対応の65V型4K2K液晶パネルに人だかり。メガコントラスト液晶のスペックは、コントラスト比が当然100万:1、動画応答性が4ミリ秒、上下左右の視野角は176度。2007年度中の製品化を計画しており「マニア向け商品」になる見込みだ。

photophoto シャープはさらに亀山大プッシュ。CEATECにも“亀山コーナー”を設けていたが、今回は“亀山ブース”に昇格した(シャープブースは1階展示ホールに別途ある)。第8世代マザーガラスのサイズを実感できる。65V型メガコントラスト液晶(右)は「マニア向け商品」になる見込み

 一方のSEDは、CEATECのときと同じ55V型ながら、コントラスト比が10万対1に向上。CEATECのときもスペック(5万:1)以上の数字は出ていたというが、公称値にできるまで性能向上&安定させたのがポイント。デモは毎回満員になる盛況ぶりで、夕方にはとうとう整理券を配り始めた。SEDといい、メガコントラスト液晶といい、来年(度?)はプレミアムな薄型テレビが賑やかになりそうだ。

小さてもフルHD

 一階のメイン展示ホールでは、パネル/部材メーカーや製造機器メーカーが軒を連ね、新技術の売り込みに忙しい。とくに元気なのは台湾や韓国といったアジア勢。フルハイビジョン解像度の小型ディスプレイが目立った点も今年の特徴で、たとえばCMO(Chi Mei Optoelectronics)は25型のフルHD有機ELディスプレイ、CPT(CHUNGHWA PICTURE TUBES)はCMOと共同開発したという28型フルHDパネルを出展した。会場内でもっとも小さなフルHDパネルといえば三洋エプソンイメージングデバイスが17日に発表した7.1型低温ポリシリコンTFT(LTPS)だが、車載/ポータブル用途にフォーカスしたLTPSに対し、CMOとCPTは家庭用テレビを前提に開発を進めている点が異なる。

photophoto 左がCMOの有機EL、右がCPTブースの28型フルHD液晶パネルだ。28型の場合、画素ピッチは実に0.108×0.324まで小さくなる。コントラスト比は650:1、輝度350カンデラ、応答速度は10ミリ秒

 また、CMOは47型で2560×1440ピクセルの「プレミア液晶テレビパネル」で高解像度をアピール。同社はこれをQHD(Quad High Definition)と呼ぶ。その近くには昨年も展示していた56型QFHD(Quad Full High Definition)パネルが再度お目見え。その精細感は4K2Kディスプレイに匹敵するものだ。

 CCFL(冷陰極管)に代わる次世代のバックライトとして注目されるLEDバックライト関連の展示も多く見られた。たとえばIPSアルファテクノロジブースではIPSにLEDバックライトを組み込み、NTSC比100%以上の色再現性を可能にした「高純度LEDバックライト搭載パネル」を展示。もともと左右の視野角が広いIPS方式だが、今回は「横から見ても、TV映像に使用される中間調の色純度が低下しない」という。Tama Fine OPTOでは、2007年の量産出荷を予定している新開発のLEDバックライトを展示。60ルーメンの明るさを持ち、従来よりも広角配光が可能になるという。

photophoto IPSアルファテクノロジブースのLEDバックライト搭載パネル(左)。右はTama Fine OPTOのバックライト用LEDのデモ

 「FPD International 2006」の会期は10月20日(金曜日)まで。開場時間は10時〜17時。入場料は2000円。

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