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今度は「気流ロボット」搭載、手足が冷えないエアコン

» 2006年10月24日 04時39分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 松下電器産業は、「気流ロボット」搭載の家庭用エアコン「CS-Xシリーズ」11モデルを12月21日に発売する。フラップがせり出して回転する新機構が気流を適切に制御することで、冷暖房を問わず“手足が冷えない”という。「お掃除ロボット」もブラシ搭載でパワーアップ。

photophoto 「CS-Xシリーズ」と気流ロボットの動き

 “10年間メンテナンス不要”を謳い、人気の「お掃除ロボット」搭載エアコン。2006年度には構成比で38%に拡大するなど順調に推移しているが、ナショナルアプライアンスマーケティング本部長の高見和徳氏は、「エアコンの快適性について、まだユーザーは不満を持っている」と話す。「とくに女性は、冷房時の“冷やしすぎ”、暖房時の“暖まりが悪い”ことを挙げる人が多い」。新製品では、室内の気流をインテリジェントに制御できる「気流ロボット」を新搭載し、これらの不満に応えた。「コンセプトは、人にやさしいロボットだ」(同氏)。

 気流ロボットのコア技術は、大きな上下フラップと、それを動かす「ギアムービングシステム」だ。フラップの幅は従来の72ミリから105ミリに拡大。可動アームで前方に大きくせり出し、気流制御に最適なポジションまで回転する。同時に全面パネルとサブフラップが動き、本体とフラップの隙間から気流が逃げることを防ぐ。たとえば、暖房時には暖気が上に逃げないよう床面に向けて風向きをリードし、冷房時には冷気を落とさないよう天井に誘導するといった具合だ。

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photophoto フラップが大きいだけに、動きはダイナミック。変形ロボットの趣がある

 気流ロボットは、冷暖房効率のアップはもちろん、室内の人に気流が直接あたらないメリットがある。「たとえば冷房時、部屋の中心は風速0.05メートル/秒のほぼ無風状態のため、冷房の風が直接当たって手足が冷えることがない。これは理想の空調空間と言えるのではないだろうか?」(ホームアプライアンス社エアコンビジネスユニット長の藤原克彦氏)。同様に、暖房時には足下が暖かく、顔には風を感じない「床暖房感覚」だという。

photophoto 冷房時は、冷風を天井に向けて吹き付ける。シャボン玉の動きに注目
photophoto サーモグラフィによる従来機種との比較。暖房時は暖かい空気が床方向に吹き出すため、部屋全体が暖まる。その結果、手足も暖かい
photo お掃除ロボット。ホコリをかき出しつつ、吸引して排気口から屋外へ排出する

 お掃除ロボットも進化した。今回は新開発のブラシ&パッド方式により、フィルタのホコリを“かき出す”機能を追加。ホコリを吸引するノズルも、ギア駆動からワイヤー駆動に変更され、「油成分の多い汚れもパワフルに取り除く」という。さらに、お掃除ロボット駆動時の騒音にも配慮。耳につく800Hz付近の音を10dB以下に改善するなど、トータルの性能向上を図った。24時間タイマーで留守中に掃除を実行させる機能も新しい。

 このほか、起動時の室温を逐一メモリに保存しておき、運転時を最適化したり、外気温や湿度から掃除頻度を判断するための専用ICを搭載。「勝手に進化していく“快適省エネエンジン”」(同社)。なお、省エネに関しては、2010年の省エネ法基準値をクリアしているほか、買い替え需要が見込める11年前の機種に比べると、4キロワットタイプの場合(6畳用)でエネルギー消費効率(APF)が約80%向上したという。

 「CS-Xシリーズ」は、2.5キロワットタイプから8キロワットタイプ(暖房能力)まで11タイプをラインアップ。価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は、6畳用(2.5キロワット)の18万円前後から。各モデルとも「クリスタルホワイト」と「ノーブルシャンパン」の2色を用意している。

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