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リアプロでホームシアター環境の再構築を試みる(接続編)フルHDブラビア導入記(2/3 ページ)

» 2006年11月10日 15時39分 公開
[浅井研二,ITmedia]

アナログRGB入力は1920×1080まで対応するが、かなりの“額縁つき”状態

 まずは、PC入力端子を検証してみる。購入前に取扱説明書(Webサイトからダウンロード可能)は確認ずみで、その時点でわかってはいたことだが、PC入力の映像はすべて、周辺に黒枠がついた状態で表示される。また、対応信号は1920×1080(水平周波数67.5kHz/垂直周波数60Hz)まで受け付けるが、推奨解像度は1280×1024、あるいは1360×768までとなるようだ。

 内蔵チューナーや外部入力の映像に対しては、画面モードを「ノーマル」「フル」「ズーム」「字幕入」「ワイドズーム」に切り替えられ、さらに前回書いたとおり、表示領域を「ノーマル」から「−1」「−2」へと変更可能だ。しかし、PC入力時には設定項目はまったく異なり、画面モードは「ノーマル」「フル1」「フル2」のみとなる(表示領域の変更を行う設定はない)。

 「ノーマル」では、表示解像度によって表示面積が変わり、1280×1024で最も大きくなるようだ(高さはほぼ画面いっぱいで、左右は各16センチの黒帯つき)。そこから1280×720へ変更すると幅は変わらず、上下に各9センチの黒帯がつく。以下同様に、1024×768では上下各8センチ/左右各24センチ、800×600では13センチ/30センチ、640×480では16.5センチ/35センチの黒枠がつき、段々と表示領域が小さくなっていく。

 また、「フル1」は“オリジナル画像の縦横比を保ったまま、画面いっぱいに表示”ということだが、それでも画面の上下に約5センチの“余白”は残る。つまり、640×480などの4;3画面では左右に各20センチ、1280×720などの16:9画面では8.5センチの空きが生じるわけだ。ちなみに、目当てにしていた1920×1080では、この「フル1」しか選択できない。「フル2」は4:3画面をワイド化するもので、いずれの解像度でも5センチ/8.5センチの黒枠つきとなる。

 ともかく、どの解像度に設定しても結構な余白がつくため、あまり利用したくはない印象だ。使うとすれば、少なくとも上下は画面いっぱいとなる1280×1024だろうが、画面比が4:3になってしまう。PC入力端子はあきらめて、ほかの端子を試したほうがよさそうだ。

DVI→HDMI変換ケーブルでPCとの接続も行えるが、ドットバイドット表示は不可能

 では、HDMI端子を利用するのはどうだろう? つまり、DVI→HDMI変換ケーブルを使って、PCのDVI端子と接続するわけだ。ご存じのこととは思うが、この場合は使用するグラフィックスカードによって結果が異なる。一般的には、ほかの映像入力と同様に若干のオーバースキャンとなるわけだが、ATIのAVIVO対応グラフィックスカードでは、こうしたテレビへの出力も含め、すべての接続手段においてオーバースキャンを回避し、アンダースキャンを確保可能な点が特徴となっている。

 実際、nVIDIA系のグラフィックスカードと、ATI系のグラフィックスカードの双方で、1920×1080解像度での出力を試してみたが、前者はやはりオーバースキャンでの表示だ。後者の場合は逆に少しアンダースキャンすぎるが、A2500側の表示領域設定を活用すれば、ちょうどいい感じになる。表示領域を「ノーマル」から「−1」に変更すると、画面の下側はほぼ空きがなくなり、上と左右に数ピクセルずつ余白が生じる程度。「−2」でようやく、若干のオーバースキャンとなる。

 HDMI経由で入力可能な解像度は、480i、480p、1080i、720p、そして1080pで、いずれの場合でも表示面積は変わらない。これらのTV系信号ではなく、一般的なPCの画面モード、つまり、800×600、1024×768、1280×1024、1600×1200などに設定してみたところ、「この信号には対応していません」というアラートが出てしまい、表示できなかった。

 いずれにせよ、ドットバイドットでの表示はどうあがいても不可能であり、ある程度のスケーリングが常に介在するため、無理をしてまでDVD再生にPCを利用するメリットはなさそうだ。それに、そもそもPCから出力していたのは、プロジェクター側の画像処理に不満を感じたせいだが、この製品ではベガエンジンプロを搭載しており、スケーリングやIP変換における処理性能は高い。そのため、普通にDVDプレーヤーを(HDMIあるいはコンポーネント経由で)接続すればいいだけの話である。

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