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ビクター、ネイティブコントラスト比15000:1のHDプロジェクター

» 2006年11月14日 11時59分 公開
[ITmedia]

 日本ビクターは11月14日、フルハイビジョン投映に対応したホームシアター用プロジェクター「DLA-HD1」を2007年1月下旬より販売開始すると発表した。価格は79万8000円。

photo DLA-HD1

 同社独自の表示デバイス「D-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier)」を採用したフロントプロジェクター。0.7インチのD-ILAデバイスを3基搭載し、1080p/iまでの入力信号に対応し、Blu-ray DiscやHD DVDなどでのフルHD表示を行える。

 同社製HDプロジェクター、「DLA-HD11/12」(関連記事)に比較して半分近い価格としながら、第2世代のD-ILAデバイスと新開発の光学エンジン「Wire Grid」によってネイティブコントラスト比15000:1を実現した。

 「オートアイリスを導入してコントラスト比を高める製品も多いが、そうした場合には同一画面で表現できる白黒の範囲は狭くなっており、黒浮きが目立つシーンもある。15000:1のネイティブコントラスト比を実現することで、きちんと沈み込んだ黒を表現できる」(同社)

photo オートアイリスで15000:1を実現する製品よりも、滑らかな階調の表現が行える

 第2世代のD-ILAデバイスは液晶材料を新開発。光の散乱や回折、異常光を大幅に低減したほか、斜めから入射する光による複屈折を自動的に位相補償する位相補償板を液晶素子上に配置し、素子レベルでのコントラスト比を20000:1まで高めた(従来デバイスは5000:1)。

 ブロックプリズムにかえてアルミリブを設けたガラス基板を用意。確実にS偏光の反射/P偏光の透過を行うことで「光の漏れ」を抑制し、広いダイナミックレンジと高いコントラスト比を実現した。この新開発の光学エンジンを「Wire Grid」としている。従来タイプの光学エンジン(3PBS方式)に比べても良好な光学特性となるほか、光学エンジン自体の小型化にも成功している。

photophoto 既存モデルのブロックプリズムとアルミリブを設けたガラス基板(左)、D-ILAデバイスと新開発のズームレンズ(右)

 ビデオプロセッサーにはジェナム製の「GF9351」を採用。ジャギーを補正する「FineEdge」、細部強調とノイズリダクションを両立させた「FidelityEngine」、1080i対応のプログレッシブ変換技術「TruMotionHD」、4:2:2の映像信号も4:4:4までアップサンプリングする「RealityExpasion」などを実装し、高画質のソースを忠実に再現する。

 レンズには新開発の13群16枚の2倍マニュアルズーム・オールガラスレンズを搭載し、色収差を最低限に抑えながら周辺部に至るまでフォーカスの高い映像を投射する。100インチの画面を3.01〜6.08メートルで投影可能で、前面吸排気機構のために後部を壁ピッタリに設置できるため、6畳間でも100インチの大画面が楽しめる。

 レンズシフトの範囲も上下80%/左右34%と広く、設置場所を選ばないのも大きな特徴だ。ランプ交換は側面から行うレイアウトになっており、天吊りじのメンテナンスも容易。ランプには200ワットの超高圧水銀ランプを使用し、輝度は700ルーメン。

photophoto 背面インタフェース(左)とランプ交換を行う側面(右)

 インタフェースにはHDMI×2、コンポーネント(RCA×3)、S端子、コンポジットを備える。本体サイズは455(幅)×172(高さ)×418(奥行き)ミリ、11.6キロ。騒音レベルも25デシベル(ノーマルモード時)に抑えられている。

 なお、DLA-HD1の体験会が11月18日/19日、12月2日/3日に東京・新橋の同社ビルにて行われる。12月の体験会については、申し込みが必要。詳細は同社Webサイトにて確認のこと。

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