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新しい世界を体験――手軽に持ち歩く顕微鏡デジカメ「X-Loupe」レビュー(1/4 ページ)

» 2006年11月14日 21時30分 公開
[小山安博,ITmedia]

 デジカメを応用した製品として、趣味性の強いものといえば「デジスコ」がある。バードウォッチングをする人ならよく知っているだろうが、フィールドスコープとデジカメを組み合わせ、平気で光学数十倍、数百倍という超望遠が手軽に実現できるというもの。デジタル一眼レフの交換レンズなんて、600mmレベルでもあり得ない値段になってしまうので、デジスコの魅力は大きいだろう。

 逆に遠くのものではなく、近くの小さなものをひたすら大きく撮るためのデジタル顕微鏡なんてシロモノもある。目では見ることができない世界を手軽に見られるデジタル顕微鏡は、10万円台と意外と手軽に買えるのだが、その名の通り顕微鏡なのだから、形は理科の授業でよく見たアレ。普通に持ち歩くにはちょっと難しい。

 今回紹介するソリッドアライアンスの「X-Loupe」は、普通のデジカメに特殊なレンズをつけるだけで、最大150倍という高倍率で拡大撮影ができるというもの。ほとんど普通のデジカメを使う気分で、手軽にミクロの世界を体験できる。

photo 3つのレンズで最大150倍まで拡大できる「X-Loupe」

3つのレンズを付けるだけで、最大150倍を実現!

 X-Loupeのパッケージは、2006年3月発売のキヤノン「IXY DIGITAL 70」が専用デジカメとして付属。縦横幅がIXY DIGITAL 70とほぼ同じサイズのアタッチメント、3種類のレンズがセットになっている。

 付属のIXY DIGITAL 70は「専用デジカメ」とされているが、“専用”をうたう理由はカメラのレンズ部にアタッチメント装着用のキャップが貼り付けられているため。そのキャップにアタッチメントを合わせ、軽くねじるように差し込むと装着できる。

photo 付属の専用デジカメIXY DIGITAL 70。中国語版のため「DIGITAL IXUS 60」という表記だが、メニューなどは日本語表示できるので使用には問題ない

 IXY DIGITAL 70はもともと薄型コンパクトのスタイリッシュモデルだが、アタッチメントを取り付けることで厚みはかなり増す。それでも普通の顕微鏡を持ち歩くことを考えれば、ちょっと大きめのデジカメを持つぐらいなのではるかに手軽。

photo アタッチメントを取り付けて正面から見たところ。縦横の幅はIXY DIGITAL 70と比べてもそれほど大きくならない

 ちなみに本体サイズは93(幅)×87(奥行き)×62(高さ)ミリ(60xレンズ装着時)。IXY DIGITAL 70が86(幅)×21.7(奥行き)×53.5(高さ)ミリだから、厚みはレンズの分、相当分厚くはなるが、グリップのしっかりした高倍率ズーム機なんかと比べてもそんなに大振りなイメージはない。

photo 上から見るとこれだけ厚みが増す。本体だけだと1.5倍ぐらい。ちょっとぐらつくのが気になるところではある

 3つのレンズは、60x、100x、150xの3種類の倍率を選べる。使い方はどのレンズを使ったときも同じで、IXY DIGITAL 70の光学倍率を3倍にセットして撮影すること以外は特殊な使い方は必要ない。

photo レンズを装着したところ。一番長いのが60x
photo こちらは100x
photo これが130x。レンズの大きさもあるし、これが一番使い勝手がいい。ただ、一番撮影は難しい

 カメラの倍率を3倍にしておかないと、四隅がケラれる……というか中央部分しか写らない。3倍までズームすればケラレは解消するような構造になっている。

photo アタッチメントを装着して起動した状態。中央部分だけしか移らないので、まず3倍までズームしておく
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