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DVDレコーダーが“とんがった”理由インタビュー(1/2 ページ)

» 2006年11月16日 08時47分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 日立製作所の新型「Wooo」は、従来製品とは一線を画すスタイリッシュなDVDレコーダーだ。滑らかにラウンドした筐体は、横から見るとクサビ型。店頭でも大いに目立つ、文字通り“とんがった”DVDレコーダーである。

photophoto 手前がミレニアムシルバーの「DV-DH250S」、横はシャンパンシルバーの「DV-DH500S」。奥がピアノブラックの最上位モデル「DV-DH1000S」。色の名称もスタイリッシュ

 この独特のデザインは、どのようなコンセプトで生まれたのか。どのような機能を持つのか。日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ、マーケティング事業部ストレージ機器商品企画部の島上和人担当部長、同じくストレージ機器商品企画部の井町秀明技師に詳しい話を聞いた。

photophoto 日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ、マーケティング事業部ストレージ機器商品企画部の島上和人担当部長(左)と同じくストレージ機器商品企画部の井町秀明技師

――まず、DVDレコーダーに斬新なデザインを採用した背景を教えて下さい

 「地デジの広がりとともにDVDレコーダーもハイビジョン時代に突入しました。昨年はレコーダー全体に占めるデジタルチューナー搭載機の構成比は23%と大きく伸長し、2006年には50%に達すると予測しています」

 「市場全体が伸びていく中、メーカー間の競争は激しさを増し、われわれも“いかに差別化するか?”と検討する中でデザインに着目しました」

――最初に公開されたのは、Blu-rayレコーダーのコンセプトモデルだったと記憶していますが?

 「そうです。次世代レコーダーを見据えたデザインコンセプトとして“薄さをいかに表現するか”を検討していました。出来上がったものが社内的に評判が良かったため、DVDレコーダーにも採用しました」

――デザインのコンセプトは「薄型フォルム&全方向デザイン」ということですが、もう少し具体的に教えて下さい

 「薄型テレビが大画面化していますが、人の視線の高さを画面の中心に置くと、画面は上下に広がりますよね。そうすると(テレビの下に設置する)レコーダーの位置は下がります。低い場所にあっても操作しやすいことが重要になります。ですから新しいWoooでは、DVDドライブを斜め上方向から操作しやすいスタイルにして、また液晶ディスプレイや前面入力端子も斜めに配置しました」

photophoto 薄型テレビのオープン型ラックとの相性がいい。側面にもビスは見えず、側板は後部まで回り込んでいる
photo 操作ボタンも上向き。前面右側の表示部や左側の前面入力端子も若干ながら斜め上方向を向いて配置されているという徹底ぶりだ

 「また、薄型テレビ向けのオープンラックに設置するとレコーダーの側面も目に入ります。このため、金属製フレームの上に樹脂製のモールドをはめ込み、ビスなどが見えないように処理しました。また、カバーは背面にかけてラウンドしていますので、真横から見てもスタイリッシュです」

 「オープンラックだけでなく、幅の広いAVラックなどでは、一番上に置いても見栄えがすると思います。これが“全方向デザイン”という意味です」

――「Cutting edge Design」(カッティング エッジ デザイン)という名称も付いていますが、この形状には何かモチーフがあったのでしょうか。

 「デザイナーの話によると、饅頭を切った時の断面が発想のもとになったそうです」

――饅頭、ですか?

 「ブラックでは分かりにくいですが、ホワイトやシルバーのモデルを横から見ると、なんとなく、それっぽく見えませんか?」

――なるほど

photo 饅頭の断面?

 「饅頭というとあまり格好良くないかもしれませんが、発想のもとになった、ということでしょう。また、筐体の滑らかな曲線は、バターをバターナイフですくった時の形をイメージしたそうです」

――なるほど

photo バター?
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