“お買い得度”の高い720P DLPホームプロジェクター、三菱「LVP-HC1100」(2/2 ページ)

» 2006年11月20日 00時00分 公開
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コダワリのガンマカーブが映画の魅力を引き出す

photo 付属のリモコン。HC1100用(左)とHC3100用(右)

 昨年から今年にかけて大人気となった先代モデルHC3000の魅力は、なんといってもその映画的な映像表現にあった。高い完成度を誇ったその画質が、どのように変化しのだろうか?

 まず大きな違いは設計時にターゲットとしている色温度が全く異なる点だ。HC1100およびHC3100、つまり今年モデルはかなり正確に色温度が6500度となっているのに対して、昨年は7000度付近にチューニングされていたように見受けられる。

 色のバランスもやや異なり、比較するとやや寒々しい色だった昨年モデルに対して、今年は緑成分がやや多めに配分されてナチュラルになった印象だ。もちろん、緑かぶりは高画質のためには厳禁だが、本気の場合は節度が感じられ、適度に色が乗って温もりの感じられる絵になっている。

 つまり、全体的にやや濃厚な色になっているのだが、色の乗りが良く、色温度も低めに感じられる絵になったにもかかわらず、白人系のピンク色の肌色が赤くなりすぎない。また、透明感を失うほどに濃厚というわけではなく、ありふれた言い方だが、まさに“適度”。

 もっとも、本機に関してもっとも好印象を持ったのが、絶妙に設定されたガンマカーブだ。ガンマモードが標準の場合は、ガンマ係数2.2のカーブを正確に描こうとするが、シネマを選択すると、映画を視聴する場合に適した、作り込まれたトーンカーブになる。なお、ガンマモードAUTOという設定もあるが、これは映像ソースがフィルムと判断された場合(2-3パターンを検出した場合)、自動的にシネマに設定される機能だ。

 映画は一般的なビデオ映像と比較し、平均輝度が低く暗いシーンが多い。またライティング効果を多用し、背景や俳優の表情に付けたシャドウ階調の見え方が、立体感やディテール感に決定的に影響する。

 ガンマ2.2のカーブは、ビデオ映像には“はまる”ことが多いが、映画を見るときにガンマ2.2だと、暗部の引き込みが早くて黒つぶれし、全体に暗くコントラスト感も低い映像に見えがちだ。そこでシネマモードでは、暗部の見通しが良くなるよう、暗部階調をやや立てて階調が見えやすくなっている。また、明るい側の輝度ののばし方も若干穏やかめで、字幕の眩しさが程々。しかし、きちんと白ピークでは眩しさも演出できる。

 このあたりのチューニングは経験とセンスが必要なものだが、三菱の技術者はこのあたりの“落としどころ”が実に巧妙だ。加えてガンマカーブはシャドウ部のみ、ハイライトのみを独立して調整することも可能であり、好みに応じてカスタマイズすることもできるなど、自分なりの微調整が可能である。

HC1100とHC3100の違い

 さて、縦方向での解像度の違いとカラーホイールの速度が異なるHC1100とHC3100だが、絵作りの面で両者に、違いはないのだろうか? “おおむね同じ”と定義してここまで話を進めてきたが、僅かな違いは存在する。

 HC3000に比べると色温度がやや下がり、色乗りも良くなった両機だが、新機種同士で比較すると僅かにHC1100の方がアッサリした色になる。HC1100が“淡い”というよりも、HC3100がやや濃いという方が正しいだろう(4倍速時)。基本的な絵の傾向は同じであり、ほぼ同じと言っても過言ではない程度の差なので、さほど気にする必要はないと思われる。

 しかしHC3100のカラーホイールを5倍速に増速すると、今度はHC1100よりも濃度感が下がり、色温度と平均輝度も僅かに上がったように見える。なお、色数、階調性は4倍速の方がいいので、カラーブレーキング(色が分離して見える現象。見える人と見えない人がいる)が気にならないならば、4倍速の方がオススメだ。

 なお、HC1100には搭載されないアイリスだが、確かに効果はある。ただし80インチ以下の比較的小さいスクリーンに投射する際には効果的な一方、大きなスクリーンとの組み合わせやゲインの低いスクリーンとの組み合わせでは、白のピーク感も大きく削がれたように感じるため、コントラスト“感”という意味では効果は限定的だ。

 DarkChip 2と3の違いはあるものの、アイリスオープン時の比較では、さほど大きなコントラスト差にはならない。5倍速カラーホイールや、縦方向に余裕のある(電子レンズシフトに利用する)パネル解像度などに魅力を感じないならば、HC1100はそうとうにお買い得なモデルと言えるのだ。

photo 上面部(写真はHC1100)

 昨年、HC3000は三菱の商品企画担当者自身が「レンズシフトない、ズーム倍率低い、投射距離長いの三重苦。でも設置条件がクリアできるならば画質で同クラス製品には絶対負けない」と話したのが印象的だった。同じ筐体を持つ今年の三菱製DLPは、やはり同じ悩みを抱えている。しかし、それでもなお、これだけのコストパフォーマンスと絵の変化を見れば、両機種とも推薦せずにはいられない優秀機である。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年12月31日