もうひとつの薄型化の要因は、レンズスペックの変更ではないかと思う。Gシリーズは伝統的にF2.0スタートの大口径レンズを搭載しており、光学4倍ズームになって以降もテレ端でF3.0という開放F値を実現していた。レンズそのものの評価もそれなりに高く、ハイエンドコンパクトの名に恥じないレベルだった。
G7では今回、焦点距離自体は35ミリ判換算で35〜210ミリの光学6倍ズームとはなったものの、F値はF2.8〜F4.8といたって普通のレンズスペックになってしまった。決して暗いレンズではなく、光学6倍でF4.8だからまずまずではあるのだが、それでもこれまでよりワイド端で1段分暗くなってしまっているのは惜しい。
大口径レンズの薄型化が難しい点、コストが(恐らく)跳ね上がる点を考えればビジネス的には仕方がなかったのかもしれないが、やはり「Gシリーズといえば」という部分だっただけにこれは維持して欲しかったところ。
筆者はGシリーズで普段の取材もこなそうと考えているのだが、発表会で壇上に立つ人物を撮ろうとすると、ある程度の望遠が必要となる。光学6倍ズームで焦点距離210ミリというのはかなり魅力的だ。このぐらいの望遠ズーム搭載機でコンパクトタイプ、かつマニュアル撮影もこなせるとなると、現行モデルだとG7ぐらいしか思いつかない(ほかはフルオート専門がほとんど)。
それはともかく、ある意味スペックダウンといえる液晶とレンズだが、そのせいかどうかはともかくとして、本体価格もG6が9万円(発表時の想定価格)だったところ、G7は実売で5万9202円(発売2日後の購入価格。ビックカメラ新宿西口店。ポイントは15%還元)までになっていた。
旧モデルからのスペックダウンとそれに対する購入の言い訳ばかりを並べてきたが、ほかの部分も見ていこう。
本体正面から見ると中央やや右寄りに大型のレンズがあり、そのほぼ真上にファインダー、ボディ右上端にフラッシュが配置される。G6まではあったグリップがなくなり、右手で構える部分はほぼフラットになった。上部にはシャッターボタン、電源ボタン、モードダイヤル、ISOダイヤルが並ぶ。ズームレバー一体型のシャッターボタンは小さいが、押しにくさを感じるほどではない。
モードダイヤルとISOダイヤルはアルミ削りだしの美しいデザイン。ブラックボディは重厚感があり、ボディ表面の質感もまずまず。本体サイズの割に重さが約320グラムでずっしり感じられ、このあたりも高級感に一役買っていそうだ。低価格化したものの、ハイエンドコンパクトらしいボディのできだ。
新しいのがISOダイヤル。ダイヤルを回すだけでISO感度を設定できる仕組みで、オート、高感度オート、ISO80〜1600までをダイヤルで設定できる。明示的にダイヤル操作できるので分かりやすく、電源オフの状態でも設定できるので非常に便利だ。
本体背面には前述の2.5型液晶に加え、液晶左上にショートカット/イージーダイレクトボタン、液晶右上に再生ボタン、液晶右側に上からAEロック/FEロックボタン、コントローラーホイール+十字キー、その四隅にAF、露出補正、ディスプレイ、メニューボタンが配置される。
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