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「10年お手入れ不要」の掃除機、シャープから

» 2006年11月30日 15時24分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 シャープは11月30日、約10年間手入れが不要な掃除機“パワーサイクロン”「EC-VX1」を12月11日より販売開始する。価格はオープンで、実売想定価格は8万円前後。

photo “パワーサイクロン”「EC-VX1」 カラーはコスメティックピンク(手前)とホワイトシルバー(奥)の2色

 新製品は掃除機の性能維持に不可欠なフィルターの掃除を、内蔵する小型モーターで自動化。約10年間、たまったゴミを捨てる以外の手入れをせずとも使い始めの吸引力が99%維持される。

 吸引方式は内部に気流を発生させ、吸い込んだ空気とゴミを遠心分離。ゴミはカップの底にたまる独自の「遠心分離サイクロン」式を採用する。ろ紙フィルターで直接ゴミをとらえる「ろ紙フィルタータイプ」、紙パックに直接ゴミをためる「紙パックタイプ」に比べて、長時間吸引力が持続し、手入れが容易だという。

 具体的にはフィルターが回転・振動して付着したチリを落とす「HEPAフィルター クリーンメカ」、フィルターからカップカバーに落ちたホコリをカップへ落とす「チリ落としワイパー」、ゴム製ビーターが振動を与えてフィルター内部に付着したチリを落とす「筒型フィルタークリーンメカ」という3つのクリーニング機構を備える。

photophoto フィルターとダストカップ(左)、搭載されたフィルターの自動清掃メカニズム(右)

 静電気の力で吸い込んだ微細なチリを集合させる「静電気発電Eクラスター」も搭載。フィルターでは除去しきれないカビの胞子など、0.3マイクロメートル以下のチリも除去可能となった。そのほか、除菌イオン発生素子も搭載することで、室内のアレル物質(ダニのフン、死骸)を除去するという。

 利用中の騒音にも配慮した。騒音源であるモーターを樹脂製ケースでカバーする構造としたほか、内部には高級車のエンジンカバーなどにも使われている吸音材を搭載。吸い込み口にも吸音ボックスや吸音材を設けることで、業界最小という低運転音(51デシベル)を実現した。

photophoto 騒音を抑えるサイレンサー類

 同社では“ユーザーが値段が高くなっても欲しい機能”として、「自動お手入れ」「強力なパワー」「清潔な排気」「静音機能」の優先順位が高いと分析しており、新製品を高付加価値型掃除機のフラグシップとして訴求していく考えだ。

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