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“インタラクティブ床”が進化した――「タップトーク2」立体Expo'06

» 2006年12月06日 19時42分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 今年もパシフィコ横浜で「立体Expo'06」が開幕した。立体Expoは、3DとVR(バーチャルリアリティ)に特化した商談会。出展社は少なめだが、毎年ユニークな製品を見ることができる。

photophoto 会場の奥にある「3D Theater」では、偏光メガネを使用して大画面の立体映像を楽しめる。右は松下電工の「CyberDome3700」。3.7メートル径の大きなドームに立体映像が映し出される

 中でも注目を集めていたのが、ソリッドレイ研究所の「タップトーク2」だ。人が動くと床面の映像が変化するインタラクティブな“床面スクリーン”。たとえば水面の映像では、足をついた場所から波紋が広がる。ピアノの鍵盤を歩けば音が鳴るといった具合。前バージョンの「タップトーク」は、「東京ジョイポリス」や電力会社の広報館などに導入されているため、見たことのある人も多いだろう。

photophoto 歩いた場所に波紋が広がる(左)。鍵盤の上を歩くと音が出る。もちろん鍵盤も動く(右)

 タップトークの秘密は、天井に設置した赤外線投光器とカメラだ。これで人の動きを検知し、PCがリアルタイムにエフェクトを加える。それをプロジェクターから出力すれば、まるで人が映像を動かしたような錯覚を与えるという仕組み。

photo 床でホッケーが楽しめるインタラクティブなコンテンツ

 同社によると、初代タップトークは海外メーカーからライセンスを受けて販売していたが、「タップトーク2」では製品コンセプトをそのままに自社開発。機能の向上と大幅なコストダウンを実現したという。たとえば、従来は800万円程度だった基本構成は500万円になった。

 機能面では動画や3Dオプジェクト表示への対応が挙げられる。OpenGLベースのソフトウェア「オメガスペース」で3Dオブジェクトを作成すると、人の動きに合わせて床面でぐりぐりと動かせる。

 「たとえば携帯電話のオブジェクトを表示しておき、人が蹴飛ばす動作で裏面を見せたり、折りたたみ式のケータイを開いたり……。インパクトのある街頭広告メディアができます」(同社)。

 このほか、同時に出力できるプロジェクターの数も増えた。今回は最大40面まで対応可能。つなぎ目を目立たせず、巨大なインタラクティブ床を作ることができる。

 街頭広告のほか、結婚式場やパチンコホールといった商業施設への導入も進んでいるという「タップトーク2」。今後は目にする機会も増えそうだ。


「立体Expo'06」の開催期間は12月8日(金曜日)まで。入場は無料だ。

なお、映像機器の専門商談会「'06国際画像機器展」および「先端光テクノロジー展2006」が併催されている。

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