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れこめんどDVD:「ディセント」DVDレビュー(1/2 ページ)

» 2006年12月08日 00時52分 公開
[皆川ちか,ITmedia]

 「ハイテンション」とともに、今年公開されたヨーロピアン・ホラーで恐怖&スプラッタ描写が際立っていた本作。舞台は洞窟、女だらけの冒険隊が不思議な生物と肉弾戦を繰り広げる! 監督は人狼パニック・ホラー「ドッグ・ソルジャー」で注目されたニール・マーシャル。狼の次は地底人かー。

「ディセント」

発売日:2006年11月29日
価格:3990円
販売元:エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
上映時間:99分(本編)
製作年度:2005年
画面サイズ:ビスタサイズ・スクイーズ
音声(1):DTS/5.1chサラウンド/英語
音声(2):ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
音声(3):ドルビーデジタル/2.0ch/日本語

 「ホステル」「デビルズ・リジェクト」「テキサス・チェーンソー ザ・ビギニング」「ソウ3」。2006年は洋画ホラーの秀作・傑作が続々と日本公開されて、ホラー・ファンにはとても充実した年だった。

 2003年「テキサス・チェーンソー」、2004年「ドーン・オブ・ザ・デッド」の成功以来、アメリカではスプラッタ・ホラーの盛り返しブームが依然ホットな状況だけど、ヨーロッパにもいいものがあるのですよ。

 今回紹介する「ディセント」はイギリス産ホラー。登場人物は全員女性。男はほとんど出てきません(出てもすぐ死ぬ)。今年、私が観たホラー映画の中で、最も恐ろしかった作品です。

前人未到の洞窟、そこにいたものは……

 アウトドア派の主婦サラは、年に1度、仲間たちと冒険旅行を楽しんでいた。その年の冒険は、カヌーの激流下り(「激流」(94)でメリル・ストリープもやってました)。迎えに来てくれた夫と愛娘と帰途に着いたサラだが、運転席の夫が彼女に話しかけようとしたその瞬間、対向車線の車と激突。鉄パイプが夫の顔面を貫通、娘も即死、サラひとりが生き残った……。

 1年後。傷の癒えないサラを励まそうと、友人たちが冒険旅行の計画を立てる。目指すのは、アパラチア山脈のチャトゥーガ国立公園内にある洞窟。リーダーのジュノを筆頭にメンバーは6人。「冒険しなければ、人生は意味がない」を合言葉に、スリルと興奮とちょっとした危険を求めて、ガールズ・パーティーは穴の中へ降りてゆく。

 大自然が作り出した幻想的な風景に酔いしれるのも束の間、移動中にサラが穴に挟まって身動きがとれなくなる。なんとか抜け出したと思うや、崩落が起きて穴が塞がってしまう。しかしここは安全が保障された国立公園。まだ動揺の色は見えない一行だが、ジュノが「ガイドブックを忘れてきた」と呟くと、不安の兆候が。

 さらに、遭難した場合に捜索隊を出してもらえるよう役所に申請をしてこなかった上に、「実はここは、名前のついていない前人未到の洞窟なの」とジュノが爆弾発言。

 ヘッドランプ(ヘルメットの先頭に付いているあれ)のバッテリーはあとわずか。四方を岩に囲まれての息苦しい状況で、女たちは徐々にテンぱり&パニくる。その時、サラが暗闇の中、素早く動き回る白っぽい生き物の気配を感じ取る……。

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