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顔を追跡、ブログ素材も撮れる――富士フイルム「FinePix Z5fd」レビュー(2/5 ページ)

» 2006年12月11日 17時49分 公開
[小山安博,ITmedia]

コンパクトに持ち歩き、素早く撮影できる

 デザインは、前モデルのZ3とほぼ同様の意匠。前面を覆うレンズカバーを向かって左にスライドさせるとレンズが現れ、カバーの穴からフラッシュが現れる。

photo 本体前面はカバーが覆う
photo 横にカバーをスライドさせるとレンズとフラッシュが出現する

 カバーをスライドさせることで電源がオンになる仕組みは手軽でいい。カバーのスライド感も適度な引っかかりがあって安っぽさがない。ボディの質感自体もそれほど悪くはない。起動時間も速く、AFも十分高速だ。

 本体サイズは92.8(幅)×55(高さ)×19.4(奥行き)ミリ、約148g(撮影時)と薄型軽量で、全体としてフラットなボディのため、胸ポケットや女性の小さなバッグにも収まりがいい。

 本体の薄型化のために、レンズは屈曲式のフジノン光学式3倍ズームレンズを採用。焦点距離は36〜108ミリ(35ミリ判換算時)、F値はF3.5〜F4.2。撮像素子は1/2.5型スーパーCCDハニカムHRを搭載。有効画素数は630万画素だ。

photo レンズは屈曲式で、写りはまずまず

 おもしろいところでは、レンズカバーにある「FinePix Z5」(fdはなぜか付かない)というロゴ。このZ5の部分がシャッターを切るときに白く光る。撮影にはまったく関係ない機能ではあるが、ちょっと携帯電話的な印象なのと、撮った相手がロゴが光ったことに食いついてきたりしたら、飲み会の会話のネタにはなりそうだ。

photo 起動時や撮影の瞬間、セルフタイマー時に光るロゴ

 上部はシャッターボタンと静止画/動画を切り替えるモードスイッチ、顔キレイナビボタンが並ぶ。

 背面にはズームボタンと十字ボタン、その四隅にある各種操作ボタン、インジケーターランプが並ぶ。十字ボタンは、上が液晶モニターの輝度を上げるボタン、右がフラッシュ、下がセルフタイマー、左がセルフタイマーの切り替えボタン。

 四隅のボタンは、左上が再生ボタン、右上がフォトモード(F)ボタン、左下がDISP/BACKボタン、右下がブレ軽減/高感度2枚撮りボタン。

photo 本体背面。ボタンの使いやすさは普通、といった感じ。ズームボタンと十字キーの間にある3つのゴムのアクセントは、滑り止めの効果に加え、インジケーターとして光る

 基本的な撮影設定は、十字ボタン中央のMENU/OKボタンを押す。メニュー画面では撮影モードを設定でき、撮影モードをAUTOにすると、露出補正やホワイトバランス、ISO感度も設定できないフルオート撮影。

photo 撮影メニュー。露出補正やホワイトバランスは、マニュアルモードにしないと現れない。AFモードは、顔キレイナビを有効にしていると選択できなくなる

 撮影モードをマニュアルにすると、露出補正、ホワイトバランス、ISO感度に加え、AFモード(センター固定かオートエリアか)の設定も可能になる。

photo 撮影モードではAUTOも選べるが、基本はマニュアルで撮影したほうがいいと思う。シーンモードなども選択できるが、高感度2枚撮りとブレ軽減は独立したボタンが割り当てられているので、ここで選択する必要はない

 撮影モードはほかに、ナチュラルフォト/高感度2枚撮り/人物/風景/スポーツ/夜景/花火/夕焼け/スノー/ビーチ/美術館/パーティー/花の接写/文字の撮影/ブレ軽減が選択できる。

 ナチュラルフォトは、フラッシュをたかずに感度を上げることで手ブレ、被写体ブレを防ぎつつ、明るい写真を撮るためのモード。ブレ軽減はそれと似ているが、とにかくブレないためにシャッタースピードを上げようとするモードで、フラッシュもオンにもできる(ナチュラルフォトではフラッシュはオンにできない)。

 実際に試してみると、どちらもISO感度はオートのみだが、ナチュラルフォトはISO800まで、ブレ軽減は最高感度のISO1600まで増感していた。ナチュラルフォトは、最高感度まで上げないことで、画質とブレ対策のバランスがいい。それでもブレてしまうときはブレ軽減を使うといいだろう。

 ブレ軽減に関しては十字ボタン右下に独立ボタンが割り当てられており、高感度2枚撮りとモードがトグルする。個人的にはさらにナチュラルフォトも割り当てられていると良かったが、まあ設定できるモードが多すぎても操作が煩雑になる嫌いがあるので、このぐらいで仕方ないかもしれない。

 高感度2枚撮りは、フラッシュを使った撮影とナチュラルフォトによる撮影、この2枚を連続して撮る機能だ。ナチュラルフォトでISO800まで増感しても手ブレ/被写体ブレは起こり得るが、フラッシュをたくと防げる可能性がある。しかしフラッシュをたくと平坦な写真になってしまいがち。

 そこでこの撮影モードを使えば、フラッシュをたかないナチュラルフォトと通常のフラッシュ撮影の両方を連続で撮影してくれるので、あとで確認して、いい方を残せばいい。ちなみにフラッシュをたいた場合、ブレ軽減のようにISO感度を上げてシャッタースピードを稼ごうとはしないようだ。

 撮影時は、MENU/OKボタンに加え、Fボタンも活用する。Fボタンを押すとISO感度と解像度、FinePixカラーが選択できる。

photo Fボタンを押したときのメニュー

 ただし、ISO感度を変更できるのは撮影モードがマニュアルの時だけ。個人的にはISO感度がFボタンに割り当てられているのは疑問で、マニュアルモード時、MENU/OKボタンで露出補正とホワイトバランスを設定、さらにFボタンでISO感度を設定、というように設定する個所が離れてしまっているからだ。

photo ISO感度の設定はISO1600まで。AUTOの次がISO1600で高感度順に並ぶ、というのが何となく富士フイルムの自信の表れのような気がする。マニュアルモード以外はISO感度はAUTOしか選べない

 慣れの問題かもしれないが、個人的にはあまり変更しない解像度とFinePixカラーよりも、露出補正やホワイトバランスがここにあったようないい気もする。もっとも、「フォトモード」のポリシーから考えると仕方がないか。

 なお、マニュアルモード時、露出補正はメニュー画面の上から2番目、ホワイトバランスは3番目にあるので、手軽と言うほどではないがすぐには変更できる位置にある。

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